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2004.5.1 sat #define REVIEW

 気づいてる人もいるかも知れませんが、サイトについてを更新しました。更新、と言っても白紙から書き直したわけでもないし、僕のサイトに対するスタンスは何も変わってません。今まであったものに対し加筆訂正をした、という感じです。
 ただ、その加筆部分に、僕の「レビュー」と言う言葉に対する考えを大幅に付け足しました。「レビュー」に対する考えではなく、「レビューと言う言葉」に対する考え、です。書きながら、改めて自分はレビューという言葉が苦手だと再確認しました。僕は、今まで自分が書いた音楽に関する文章群をレビューと呼んだことはほとんどないはずです。

 インターネットの普及は、個人レビューの普及だと思う。

 様々な音楽、ロックに関して書かれた文章やテキスト、レビューを読むのにインターネットを多く利用する僕にとってはその側面は非常に大きいものです。それはHMVなどのカスタマーレビューであれ、2ちゃんねるであれ、個人サイトに書かれている文章であれ、自分の趣味や興味を充実させる対象であり。いろいろと検索したりリンクをたどったりで読みます。
 それらの文章の書き方や観点は人それぞれであり、多くの形態をなしています。一言で書かれた物、大量の本格的な知識を背景に書かれた物、チャートという現象を元分析をして書かれた物、多くの情報を元に書かれた物、個人的な好きという感情を前面に押し出されて書かれた物。様々です。

 それがすべてインターネットでレビューと括られる。インターネットの普及による、個人レビューの普及による、レビューの大量生産。大量に生産されるものは当然、消費される。そこに僕はどうしても抵抗を感じてしまいます。

 別にさり気なく書いた感想をレビューと称したり、素人が感想を書いてネットにアップすることを僕は蔑んだり否定するわけでなく(僕だってめちゃくちゃ素人ですしね)、むしろそれらは僕としては大いに歓迎する行為です。自分が読むことのできる対象が増えるわけですから。第一、レビューというものの原点は感情を織り交ぜた主観であることは充分承知だし、僕も主観に基づいて書いていることを認識しています。
 そこで、自分が書いてあるのがレビューと定義されることによってあっけなく消費されるような気がして怖い。普段、ロックを消費しているだけに。レビューを消費しているだけに。

 これが物凄いわがままな言い分なのはよく解ってます。自分もいろんなバンドを「メロコアバンド」などのように定義しながら書いてますし、いろんなレビューを消費していますから。
 もちろん、「レビュー読みました」と言われたって抵抗ありませんし、「レビューサイト」とリンクを貼られても訂正を求めたりしません。それなりに大人のつもりです。
 だからせめて自称の範囲では自分のサイトをレビューサイトと呼びたくないし、自分が書いた文章をレビューと括りたくない。
 こだわりと言えば立派ですけど、本当にわがままで変に意固地なだけですよね。ただ、その立派に呼んでこだわりとやらは、常に自分に向ける矢印でなければ本当に人に迷惑を掛けて不愉快にさせてしまう。だから音楽テキストと言うのは生涯、自称です。

 こういうことを書くと「自分の考えをもってる人」「こだわりのある人」ってきっと定義されるんでしょうね(笑)。それはそれで一切構わないっす。なんせこのサイトは、リンクしてもらう際のサイト名まで相手に定義されるんだから。そういうサイト。

2004.5.2 sun

 僕のためにあるとしか思えない電車「江ノ電」に乗り、僕のためにあるとしか思えない「江ノ島」に行きました。あと、横浜の吉村屋にようやく行きました。美味いかったですけど、それ以上に店内の仕事のこなしっぷりに僕は圧倒されました。自分がシステムエンジニアと名乗るのが恥ずかしくなるほどのシステムでした。参った。

2004.5.4 tue

 戦争反対のロックソングは多いですけど、捕虜虐待反対のロックソングって、もしかしたら見たことないかもしれない。
 米兵のイラク人虐待問題は非常に気持ち悪いものを見せ付けられた。
 何が気持ち悪いって、あれらの蛮行は自分だってやりかねないってことです。

 もし自分が兵士であり、占領国で当然のように他の兵士が虐待や強姦をしていたら。それが当たり前になっていたら。自分もそれらの蛮行に参加するんじゃないのか。
 自分は現在、金銭欲も物欲も名誉欲も出世欲もある人間です。だからこそ。戦場に行って命を極限まで消耗したところに、ストレス発散のためにいたぶれる人間がいたら。性欲を吐き出せる相手がいれば。それらの欲求に負ける自分が解るからこそ、気持ちが悪いものでした。そんな自分が確実に存在する。

 あれは、米兵の蛮行である以上に。自分もするであろう、嫌な部分だ。見たくないからこそ、気持ちが悪い。

 別に米兵を擁護するつもりも、戦争だから仕方がないなどと言うつもりはありません。捕虜虐待は国際条約で禁止されていることですし、イラク人を虐待するのがフセイン大統領からアメリカ・イギリス軍にシフトしただけならまったく意味がないことです。

 ただ、僕はそれらを非難するのに、少し自信がない。欲に塗れた僕は、明らかに加害者と本質的に同じだ。だけど、容認できないからこそ、許されないからこそ、頑張って非難しなければならない。少なくとも、鬼の首を取ったように、勝ち誇って一方的な非難はできない。

 非難するってのは、勇気と決意がいることです。

2004.5.5 wed  日常

ゴールデンウィーク最終日。お昼はカップラーメンに夜はマック。だらだら過ごしました。

2004.5.6 thu  アヴリル・ラ瓶

 ゴールデンウィークも終わり、今日から仕事が再開です。せっかく大きな休みを過ごして気分も新鮮なので、職場にも新鮮な変化を持ち込もうと考えました。

 今の職場の僕の席なんですけど、冷房がすぐ横にある関係でとてもよく冷えます。冷えます、を通り越してクソ寒い。そのおかげ様をもちまして、ホットコーヒー代がかさんで仕方ありません。そこで、「安くいつでもホットコーヒーが飲める環境」を職場に持ち込もうと考えました。
 まず家から持っていくものは、「GOD SAVE THE QUEEN」のジャケットがプリントされた、お気に入りのマグカップ。そして降りた駅のニューデイズ(コンビニ)で、コーヒーとクリープとスティックの砂糖を購入します。いつもよりやや重たい荷物を持ちながら意気揚々と出社です。今日は素敵な一日の予感。

 10時を回り。いよいよ僕の身体が冷えてきました。そこで、僕のマグカップとコーヒーグッズの登場です。何故か女子トイレの横にある、給湯室の場所も使い方も確認済みです。ぬかりはない。満を持して、コーヒーの瓶のフタを開ける!もう寒い席と冷えた身体とはおさらばだぜベイべー!

 スプーンがありませんでした。

 しかも、追い討ちをかけるかのように、コンビニでコーヒーとクリープの瓶を持ったつもりが、何を間違えたかコーヒーとコーヒーの瓶を手にして買っていたようです。
 おかしいなあ。茶色と黄色の瓶を持ってたつもりなのに、なんで茶色と青の瓶を買ってるんだろう。

2004.5.8 sat  応援

菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!菅直人!

2004.5.9 sun  STORY OF THE YEAR MONEY

 福田官房長官の辞任と菅直人民主党代表辞任を対比的に捉える意見が多いけど、二人とも未納だったから責任を取った。同じでしょ。そりゃ菅直人は見苦しいとか菅直人はタイミング悪いとか菅直人はどうみても引きずり降ろされたとか菅直人は首相を目指すのわりに人望無さそうだなとか菅直人は要するに駄目とか色々とあるけどそれ政治家個人への評価であるし、与党とか野党とかカイワレ野郎とかとはまったく別問題であるべきなのに、どうもそのあたりがリンクしたりごっちゃになってる論調が多い気がする。テレビの報道とか。

 福田が先手を取ったから与党が有利?どんな理屈だよ、馬鹿にしてるのか。

 それはそれとして。国会はいろんな意見を持ち合って話し合う場だと僕は中学校の社会の時間に習いました。これ以上教科書問題を増やさないためにもそれに準拠して、党利党略は排除して(は、きっと無理でも、それを越えて各議員の方が活発な議論をして)より良い年金制度の改革を話し合ってほしいです。民主党案とか民主党議員が描く未来図も、審議を進める上での重要な材料であることは変わらないし。

 政治家個人評価は一票を持つ人がそれぞれ考えることであり。個人単位では重要な問題かもしれないけど、とりあえず国政としてはちゃんとした年金制度を作れるもんなら作ってほしいです。

 世間が菅直人をバッシングしてるとき、ひねくれ者の僕は思わず彼を擁護したくなる。だから、菅直人および彼が代表を務める民主党を擁護してみました。たぶん、これって民主党にとって大きな後方支援だよね。マニフェスト!

2004.5.10 mon  流れ作業についていけない黒夢のファンでございます

 常駐先の会社の食堂の話。

 「本日のメニュー」のBランチがちょっと豪勢な卵とじの牛丼で、狂牛病だかなんだかのせいで牛丼を食べる機会が少なくなったことも後押しして、非常に美味しそうでした。明らかにインスタントであれ、味噌汁も付くし。そこで昼飯はこのBランチにしようと思い、食券を買っていつものカウンターに並んだところ、「今日のBランチはあちらです」と言われました。

 指差されたほうを見ると、そこには「料理長コーナー」の文字が。

 そこでは料理長と思われる、ちょっと帽子の高い人が、やや睨み付けるような目つきで牛肉を炒めながら卵を割ってます。次々と、ひたすら。
 そしてご飯の上に料理長御自らの手で牛肉卵とじをかけると次の人がきざみのりをまぶし、味噌汁を用意し、「どうぞー」と渡してくれる、という感じです。料理長、いくら重要な部分を受け持っているとは言え、これは明らかに流れ作業の一員。
 別にこれ、料理長じゃなくてもいいような気が。ちなみにこのコーナー、週に1回くらいあるらしく、前回はやきそばでした。

2004.5.11 tue

誰かが死なないと実現しないことが多い。

2004.5.12 wed  吐き気がするほどロマンチスト

 例えばあなたが、そのへんの通行人のタバコのポイ捨てを目撃したとする。すっごくムカついて不愉快になるけど、別段その場で相手に注意することも干渉することもしない。でも相手の行為は反論の余地がないほど非難されることであり、仮にその場で注意して舌戦・論戦になったとしたら絶対に勝利する。でもしない。そんなフラストレーションを発散できる便利な場所があり。

 それがここ。インターネットね。さらに自分のサイトだとなお条件は良い。

 日記とかにね、書いちゃえば良いの。人によっては、ネットなんだから2ちゃん用語「ドキュン」とか「DQN」とか使いまくって。
 そうすると、論理的完全武装された主張が完成するの。しかもそこに「こんなんだから日本は駄目なんだ」と社会派ぶったテイストを絡めつつ、「死ね」「馬鹿ども」みたいな攻撃的煽りフレーズでカッコよく締める。主張の内容的にもネットという匿名性としても相手は反論不可能な位置だから、どんな攻撃的フレーズもガンガン使えるし、かっこよく見える。そうすると、そのサイトに来る人が「まったくその通りです」と共感してくれる。また「常識をしっかりわきまえた方だ」「しっかり自分の意見のある人だ」と思ってくれる。最高じゃん。

 まあそういう擬似体験もネットというツールの使い方としてありだと思いますし、僕もそんな快感を意図的に味わってる自分大好きタイプなのですけど、僕個人としてはそんな誰でもできる非難してかっこつけるのもどうかなあと思います。どうせなら、もう一歩踏み込めることでかっこつけたいし、そんな自分に酔いしれたい。
 誰でもできる非難ほど、安っぽいものないじゃないですか。それはそれで正しい主張だろうけど、僕はもっと悦に浸りたいから、頑張って意外な観点とか一歩踏み込んだ言及とか非難とか主張をしたい。まあ、日々生活してると、びっくりするほど非常識な人や集団を見かけるのも確かに事実ですけどね。

 そんなわけでして、今日、満員電車で大声で笑ってるおじさんおばさん集団に遭遇しました。とても迷惑でした。他の乗客はうるさそうに顔をしかめてました。ああいう大人がいるから日本が駄目になるんですよね。死ねよ馬鹿どもが。

 あー、すっきりした。でっかいうんこ出した後みたいです。

2004.5.13 thu

 最近は戦争について考えたり考えさせられたり考え込んだりすることが多い。そして、元々は戦争絶対反対論者的面が強かった自分が変わりつつあるのも確か。いや、正確に言えば、戦争なんてしないのはもちろんだけど、戦争をしないで済ますために自衛隊を軍隊にした方がいいのかなあと思ってみたり。「軍備放棄」という理想と「国際政治」という現実の折り合いてのがきっとあるんだろうな、と考えてみたり。日本が軍隊を持つと軍事主義の復活だ、なんてことを軍事主義国家のチャイナがほざくなよ、とツッコンでみたり。戦争反対論者である左翼さんが一時期とても不愉快なものを見せてくれたのも一因かもです。こういう連中が戦争起こすんじゃね?みたいな。
 僕は。自分の幸福を追求する、平和な日本人でありたい。

2004.5.14 fri

 仕事中の話。会社の先輩に貧乏ゆすりのクセがある人がいます。そして今日、散々悩んだバグの原因がハードウェア面での単純な接続不良だったという衝撃の事実に打ちひしがれてるとき、何気なくその貧乏ゆすりを見てたらなんと両足が交互に揺れてました。ハイテクニックですか。まさか貧乏ゆすりでツーバスを見る日が来るとは思いもよりませんでした。

 定時後の話。「今日はアヴリルちゃんが僕に会うためテレビに出るから定時で帰ります」と宣言し、それを有言(強行)実行。そんなわけでミュージックステーションでアヴリルちゃん見ましたけど、やっぱかわいいわー。でも前のメイクとか雰囲気のが好きかな。とりあえずドタキャン騒動とか起こしてくれたら面白かったのに。

 夜中の話。さっきから下の道路で酔ったオヤジがうるさい。小料理屋の常連みたいだが、さっきから何やら叫んでる。ていうか「神龍(シェンロン)!」て叫んだときはビックリした。ドラゴンボールでも集めたのかよ。

2004.5.16 sun

 渋谷タワレコでのブギージャックのフリーライブ行って来ました。相変わらず説教くさいライブがとても好印象でした。演技派で。

2004.5.17 mon  年金パーク

 小沢氏が年金未納で民主党代表就任を辞退。小泉首相のグレイな未納(未加入)を民主党の岡田幹事長が攻撃したあとなだけに、すっごいFAINTが面白すぎ。菅前民主党代表に引き続き自爆だもんな。この会見のときの小沢氏のコメントを引用すると。

 小泉内閣の閣僚による国民年金保険料の未納問題に端を発した年金不信は頂点に達している。政治責任は全くないというわけにはいかない。政治的けじめをつける必要がある。

 自爆なんだから文末にでも(爆)とかつけときゃ面白いのに、とか思いつつ。閣僚の未納は確かに問題だけど、今のこの「変な状況」はそれを必要以上に批判した菅氏に端を発していると思うんですけど、無理矢理そっちに批判を向けてる印象があるのは僕だけでしょうか。
 みんな自分に未納期間があることを知らなかったからこんなことになったのは明白です。これは制度の欠陥としか言い様がない。ここまで来れば、僕はむしろ納得できるんですよね、誰も辞めなくて良かったんじゃない?みたいな。仕方ねえべ、こりゃ制度が悪い。だから尚更、財源確保も一本化も、もしかしたら税制化も含めて改革が必要て話になるじゃん。思考回路がNUMBとかじゃなく。

 結局、政治家の先生たちがしなければならないことは、未納問題で揚げ足をとって与党批判したりすることではなく、「これくらい今の制度は複雑です」としっかり説明することだったんでしょ。年金制度について審議するなら、尚更。それについて、自己保身なのはミエミエだけどその説明を一番頑張ったっのが菅氏だったのは評価すべきか、笑うべきか。もっとも一番説明を頑張らないといけない立場に自分を追いやった結果だけどね。
 とにかくちゃんと改正してくれよ年金制度、BREAKING THE HABIT。半分くらい「どうせ普段、積極的に老人に優しいとは言えない自分だから、せめて戦後からここまで日本を復興した御老人を支えるために払おう」みたいな感覚になってますけど、とりあえず貰えるなら貰いたい。老後もロックを聴く予定だから、その資金源が欲しい。僕の年金どこから来るの、SOMEWHERE I BELONG。
 明日から(だっけ?)の国会は、まずはそっちの審議をじっくりしてもらいたい。もう責任とかウダウダ言うのは終わりにしてほしいです。

 あとね、年金パークってのはリンキンパークと掛けたストイックなダジャレだけど、ここまで読んで気づく人は何人いるかなあ。途中で突然絡んでくる英語が何か解らない方はHYBRID THEORYでも聴きやがれ。実はストイックの意味は知りません(爆)。

2004.5.18 tue

 安室奈美恵が北朝鮮の列車爆発事故犠牲者に寄付
 「初の来韓公演で詐欺」 安室奈美恵が法的対応へ

 持ち逃げて。すげえな。たぶんこのニュース、テレビでは報道されないと思う。韓国のトラブルとジャニーズのスキャンダルは扱えないのが、テレビという最大メディアの「報道の自由」だからね。
 まあそれ以外のニュースが多かったのもあるかも。そのうちの一つがまた年金の絡みなんだけど、民主党の小泉首相に対する「任意期間であっても政治家の姿勢が云々」という責任追及は失笑以外の何者でもありませんでした。古賀とかいう学歴詐称野郎を「うっかりしてた」「本人が卒業した気になっていた」「しかし日本では卒業と言える」なんて馬鹿みたいな理屈並べて庇った政党のセリフじゃないですよね。学歴詐称は公職選挙法違反でもっと問題だろうが。

2004.5.21 fri

 オレオレ詐欺。


2004.5.23 sun

 政府や政治家が何かの問題に取り組むとき、それは必ず「その問題に取り組むことがどれくらい評価されるか」「その問題を解決すればどれくらい世論が支持するか」などが重要なファクターとなる。これを無視することは絶対ない。例えば北方領土問題を本気で取り組むことで世論が高い支持をするとなれば政府は本気で取り組むであろうし、歴史教科書問題で中国や韓国に強い姿勢で出て欲しいということが大きな世論となれば、それは政治家個人であれ党であれ選挙の公約として成り立つ。

 「拉致事件」はその中の問題の一つだった。小泉首相が、もしくは日本の政府がこの問題に大きく取り組むということは、この問題の解決によって世論の支持が得られるという打算であったと思う。
 言い換えれば、横田氏らの必死の訴えや活動をマスコミが紹介し、彼ら拉致被害者家族を救いたいとの考えが世論となったことが大きい。そして「可愛そう」「北朝鮮を許せない」という感情論が世論となった。

 ところが、政府にとって拉致問題の解決は「可愛そうだから」という感情論では決してない。最初に言及したとおり、その感情論によって成り立つ世論が支持率に直結する、という政治的な思惑だ。支持率、という数字が支配するシビアなものだ。
 それを批判しようとはまったく思わない。それが民主主義だとは思う。

 僕個人は拉致された知り合いもいないし、被害者家族を見たこともない。だからこれ以上、感情論でこの問題を支持できない。

 感情論が悪いとは決して言わない。けど僕は、今は国益というものを優先的に見てしまう。実際、冷静に考えれば、国益という観点では拉致問題の解決はきっと赤字だ。だから、国家が多額の税金を使ってまでしなければならないことは、単純に命の数だけの計算だったら他にもあると思う。経済が落ち込むほど自殺する経営者は増えるし、警察を強力な組織にして犯罪の増加を防ぐことで救われる人も多数いる。はっきり言って、十数人の人命のために、時間と税金を使うことは、純粋な国益には反するだろう。
 もちろん、国家犯罪の被害は交通事故とは違う。加害者を国内の法で裁けないし、なにより国防問題だ。国家は国民の生命と財産は守らなければならない。マキャベリズムとしての見殺しなど、本当の本当に最後の手段でなければならないし、守ることができるならば数人でも守らなければならない。それが国家だろう。

 僕の上記の意見は、きっと多数の人には「冷酷な発想」に見えるだろう。自分が被害者じゃないから言える意見だ、と。はっきり言うとその通り。自覚はしてる。

 最初にも触れたことだけど、拉致問題解決による小泉内閣支持というのは、基本的に感情論だ。もちろん、外交や国防といったことや、「テロには屈しない」という国家姿勢などいろんなテイストを持った問題であるけど、それ以上に「可愛そうだから」「北朝鮮を許せない」が多数を占めていたと思う。仮に政府が拉致被害者家族を見捨てる行動を取ったら、感情的な動機で政府を非難する人が続出すると思う。
 そして。今回の家族の会見で「家族の政府批判ウザイ」「まったく評価できないは言い過ぎ」というのも、感情論だ。感情論で支持したものの裏返りが、感情論による不支持に繋がる。

 この感情論が渦巻く政治劇場のなかで、もっとも感情論でない「感情」を吐露させたのは、その拉致被害者の家族だ。
 彼らの怒りの声はもっともだ。彼らは一貫して家族の無条件帰国を主張してきた。経済制裁による解決を主張して来た。参院選の前に成果を出したい小泉首相はそれらの主張を齟齬にした。彼らの怒りの声はもっともだ。僕は、彼らの反応を非難しない。

 僕は、彼らの反応を非難しない。その代わり、それ以上冷酷に、この問題の感情的な側面の解決も望まない。
 ここまで来たら。政府には国益に則った解決をして欲しい。
 5人の帰国は「良かったね」以上の何もない。僕個人、今回彼らが帰国しようがしまいが、あまり関係がない。

 単純に今回の交渉は、失敗だったと思う。いくら古米とは言え、援助なんかして欲しくなかった。拉致家族以上に、北朝鮮の国民の生活には関心が持てない。彼らに罪などないけど、可愛そう以上には何も思えない。在日朝鮮人の差別をしないと言うのも、万景峰号を規制するための船舶入港禁止法の成立の障害となるだけだろう。経済制裁をしないという、日本の唯一の攻撃手段を使いづらくなる発言も失敗だろう。「日朝平壌宣言を履行するならば」という条件など、核開発に関してはもう無視されているのに。

 「テロに屈しない」と主張したわりに、テロ国家の要求に屈した形じゃないのだろうか。

 小泉首相を感情を排して批判するなら、それは「あなたの支持率」のために訪朝を実行し、そして国益を損ねた点だ。それはないんじゃないのか。

2004.5.24 mon  TMNetwork

通信カラオケの映像の古さは、歌ってるこっちが恥ずかしくなるから、そろそろなんとかして欲しい。

2004.5.25 tue  トッピング形式のカレー屋で食べてるときに思いついた小噺

店: いらっしゃいませー。ご注文は?
客: えーと、チキンカレーにトッピングでコーンとチーズ。
店: はい、トッピングにコーンとチーズ。
客: あと、コーラもお願いします。
店: コーラ、と。かしこまりました、少々お待ちくださいー。

店: お待たせしましたー。
客: おー来た来た!いただきまーす!
客: ・・・。
客: コーラ、トッピングしてない?

2004.5.28 fri  THE (INTERNATINAL) NOISE CONSPIRACY

小泉首相の再訪朝のときに政府を批判した拉致被害者家族に対するバッシングについて、イラクの人質事件の被害者家族に対するバッシングを持ち出すのは止めて欲しい。
いや、比較したりするだけならともかく、「イラクの人質事件の被害者家族へのバッシングと同様でして」とか、「たとえ被害者でも感情的な言動だと国民のバッシングを受けるのです」という類の、まるで同列に扱う論調はちょっと気分が悪い。

避難勧告の出ている戦闘地域に自分の意思でノコノコ出て行って拉致された被害者、その家族は数日間やたら政府批判を喚き散らし、自ら左翼活動のシンボルとなり、そして世論と自分たちの主張の温度差を感じた瞬間に明らかにトーンダウンしたイラク人質事件の被害者家族(事件解決済み)と、普通に平和に日本国内で生活しているのに拉致された被害者、その家族は二十年以上に渡って被害を主張し、ようやく政府が動いたと思ったら右翼活動のシンボルのような扱いをされ、そして世論と自分たちの主張の温度差を感じてもなおも講演などの活動を続ける北朝鮮拉致被害者家族(未解決)と、一体どこが「同列」なのさ。

どっちの家族を批判しようと、それは個人の自由だけど(もちろん、どちらに対しても静観するという選択肢だってある)、この二つのケースはこれだけ相違点がある。この二つの被害者家族へのバッシングは、まったく異質なものだと思う。批判のきっかけとなる不愉快な点は違うでしょ。

むしろ「両方の被害者家族を批判している」人はとりあえずなんでも批判するような、頭の悪い少数派じゃないか。

2004.5.30 sun  僕らはみんな(お金をかけて)生きている

 ファイル共有ツールWinnyの開発者が逮捕された事件について、その正当性がネットで議論されている。法律の専門家でない僕には著作権違反に関する犯罪幇助とか、第三者への配布経路によって罪が問われるとか、そういうのはよく解らない。
 ただ、こんなサイトまで持ってしまう音楽ファンとして、それらファイル共有ツールの自分の考えぐらいは言っておきたい。まあ「音楽への接し方」かな。

 著作権に関することは随所で言われてることで(ていうか法律だし)今更言うことはないんだけど、僕が引っかかる点は音楽ファンとして音楽を聴くという行為に対し、どれだけ相手に対価を払って、音楽の提供者やクリエイターに敬意を払うかということ。

 僕は、まったく対価を払わないこれらの方法で音楽を手に入れることに非常に抵抗がある。CDを焼いたこともほとんどないし。少し話しがそれちゃうけど、それもあってCCCD問題は消費者として腑に落ちない点がありつつ、「まあ仕方ないんじゃね?」と納得できなくもなかった。たぶん一番問題なのは海賊盤が出回ることだけど、音楽ファンが気軽にコピーしたことも原因の一端じゃないかなと認識してたので、音楽ファンの身から出たサビだろ、みたいな解釈もあった。そんな僕です。
 そりゃ僕だって新譜以外にも中古を買うし、レンタルをMDに録音もする。だから常に新譜で買っている人よりも「安く音楽聴いている」「音楽の提供者にお金が回りにくい経路で音楽を買っている」と言われればそうかもしれない。
 でも自分の音楽の接し方の最低限のモラルとして。これらファイル共有ツールに手を出さなかった。お金がなくカップめんと吉野家の比率を増やしてた頃でも。情報系の大学院に進み、システムエンジニアという仕事に就き、人並み以上にパソコンやインターネットに詳しくなっても。
 CDはジャケットも音楽の一部だから好きなバンドはCDで欲しいという欲求もあるけど、音楽って、ロックって、お金払って聴く価値あるもん。そして好きなバンドがまた新しく良い曲を作る投資にもなる。だから音楽ファンとしての自分のポリシーから、ちゃんと対価を払って聴きたいと思う。

 結局、音楽ファンがこれらファイル共有ツールに手を出しすぎることは、それによって音楽そのものをつまらなく価値がないものに貶めてしまうんじゃないか。僕はそんなのは嫌だ。

 人のやることにとやかく言う資格は、僕にはない。僕の著作物でもないし。タダだから聴くって価値観も解る。でも僕は、ロック聴く上で自分のポリシーなどのこだわりを持つことはカルビー以外のポテトチップスを認めないことと並ぶ必須アイテムだと思う。



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