update2004.12.14

ANA JOHNSSON / THE WAY I AM  (2004.10.6日本盤)


 今年日本で最も売れたシングル曲は、巷でピカチュー紙一重の愛称「セカチュー」で親しまれている「世界の中心で、愛を叫ぶ」の主題歌「瞳を閉じて」でした。歌ってる人はJ-POP界随一の外人顔の関西人・平井堅。
 両者は映画も曲も大ヒットで、この曲と言ったらこの映画、この映画と言ったらこの曲、という密接な関係を築いたと思います。

 そんな前フリで登場するのがスパイダーマン2のインターナショナル・テーマソング"WE ARE"で一躍世に躍り出た(でもアメリカデビューは実はまだ)、アナ・ジョンソンちゃん。スウェーデン出身で、僕と同じく77年生まれの27歳。ロックをキーワードにした、ロックアイドルシンガーです。
 要するにアヴリル路線のキャラクターでして、そこに更にデアデヴィルの主題歌を歌ってブレイクしたEVANESCENCEのプロットを再現しよう、という感じです。ただ現段階ではどちらもオリジナルほどの効果が無いのが悲しいところですね。もしかしたら彼女はアイドルとして売り出すにはちょっと無理のある年齢であることが一因かもしれません。まあどんな要素も「ロックだから」の一言で片付けれるのがロックの強みですよね(類例:パンクだから)。実は既にミュージック・ステーションに出演済みでして、そちらの方で記憶に残ってる方もいるかと思います。

 それにしてもアナちゃんの方がスパイダーマンのヒロイン(M.J)役のキルスティン・ダンストよりかわいいですよね。主演女優より主題歌歌ってる女のがかわいいという真さにマーヴェルコミックな話です。うーん、スパイダーセンス!(言ってみたかっただけ)




 セカチューのヒラケンに比べればやはり洋楽マーケットのアナジョンさん。そおらくヒラケン程の世間の認知度はないと思いますが、少なくとも僕の中ではスパイダーマン2とアナジョンの"WE ARE"の関係は非常に密接です。スパイダーマンの顔を思い浮かべれば同時に"keep watching from..."のフレーズが耳に直接聴こえますから。
 そんな具合に先行シングルの印象を持っていた後にこのアルバム"THE WAY I AM"のリリースです。リリース時期は、まさにスパイダーマンフィーバーを終えた頃。映画から離れてこのアルバムから聴いた彼女の"WE ARE"・・・これがまた、印象の薄いものでした。

 何だろ、今までテレビでスパイダーマン2のCMのバックで流れてるこの曲を聴いてきたためか、ツタヤ等でスパイダーマン2DVD予約を派手にキャンペーンしてるときによく店内で耳にしたためか。スパイダーマンという赤と青がニューヨークのビルの群れを駆け抜けるイメージから離れてスピーカーから流れる音を聴いた時、思いのほかに地味な曲に思えたのです。
 改めてスパイダーマン神通力から離れた"WE ARE"・・・そんなに良い曲じゃなかったですね。




 ただ、それ以外の曲は非常に良い意味で裏切られました。すごい良質な、ポップスの領域を出ない、要するに聴き易いロックのオンパレードです。曲にもよるんですけど彼女けっこう甘い声出すんですよね。それこそ"WE ARE"で出さなかった声です。こういう「甘い声ロック」てロリコン大国ニッポンに非常に向いてるわけですし。
 このアルバム、輸入盤日本盤でジャケが違うんですけど、彼女の本当の姿って輸入盤のイメージが近いですよ。ぶっちゃけ"WE ARE"は向いてないのに頑張って歌っちゃったんじゃないの?

 結局のところ、先行シングルはイメージ先行シングルでした、というお話です。ロックとかどうとか、そんなイメージを拭い去って聴いた方が素直に聴けると思います。
 トラック6"COZ I CAN"、トラック11"HERE I GO AGAIN"あたり、個人的にロックアイドルシンガーとしてはかなりポップさを損なわず、それでいて程よい緊張感があってかなり良曲じゃないでしょうか。あとはアルバム通して異色でありつつ朝のように爽やかなトラック10"NOW IT'S GONE"も気に入ってよく聴いてます。




 このテキストも次第にスパイダーマンの話から離れていくという芸の細かさを見せました。スパイダーセンス!(言ってみたかっただけ)

オフィシャルサイト:http://www.anajohnsson.com




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