エントリー編 update2005.1.3
ベスト5編 1〜2枚目 update2005.1.7
ベスト5編 3〜5枚目 update2005.1.10
ワースト5編 1枚目 update2005.1.18
ワースト5編 2枚目 update2005.1.26
ワースト5編 3〜4枚目 update2005.2.4
ワースト5編 5枚目 update2005.3.5

【2004年総括】購入音源ベスト5、ワースト5、ジャケット5

■ エントリー編


 明けましておめでとうございます。今年も当サイトをよろしくお願いします。
 まあ何がよろしくなのかさっぱり解らんですけど、型どおりの挨拶をば。

 さて、2005年に入ってさっそく言うのもちょっと違和感ありますが、とりあず2004年を振り返って見ましょう。
 世間では、災害の多い年という認識が強いんじゃないでしょうか。台風来たし、地震もあった。そしてフォーカスを僕個人に写すと、関東での生活および就職二年目になってようやく自分のライフスタイルとも言えるCD購入ペースのペース配分とか新譜をどれくらい買うぞという自己管理が出来てきたように思います。何て言いながら要するに買う量が増えてるってことなんだけどね。所詮は趣味。浪費家ですいません。
 あと今年の後半は随分とアマゾンで買いました。こんだけネットに浸ってる生活してるくせに、アマゾンに初挑戦というのもやや遅咲きな気がしないでもないですが、これが安いしレアな音源もたくさんあるしね、たまりません。

 そんな自分の2004年に購入した、2004年発表音源よりタイトルどおりのベスト5とワースト5、あとはあんまり他の音楽サイトがやらないようなことをということでお気に入りのジャケット5も選らんで見ようかなと思います。ジャケット5なら、普段あんまりうるさいロック聴かない、いわゆるこのサイトを日記中心で読んでる方にも楽しんでもらえるかなと。
 とりあえずこれをやるなら「じゃあ榎本は2004年発表音源をどれくらい買ったんだよ?」という情報がないと話にならないので、以下にリストにまとめました。これが言わばアカデミー賞とかのエントリーと思ってください。





01/15 LOSTPROPHETS / START SOMETHING
01/21 ERSKIN / CHECK (Sg.)
01/28 10-FEET / REALIFE

02/11 COURTNEY LOVE / AMERICA'S SWEETHEART
02/18 横山健 / THE COST OF MY FRREDOM
02/18 SHAKALABBITS / CLUTCH
02/18 つんく♂ / TAKE 1
02/25 S.T.U.N. / EVOLUTION OF ENERGY

03/09 F-MINUS & CRACK ROCK STEADY7 / BABY JESUS, SLICED UP IN THE MANGER
03/16 CROPKNOX / ROCK AND ROT
03/17 NOB / PALETTE (Sg.)
03/18 MONGOL800 / 百々

04/07 EMMIE THE STRIPPER / KEYS
04/14 NOB / COLORS
04/14 BORIALIS / WHAT YOU THOUGHT YOU HEARD
04/20 V.A. / ROCK AGAINST BUSH vol.1
04/30 CASUALITIES / ON THE FRONT LINE

05/05 STANCE PUNKS / ロストボーイズ★マーチ(Sg.)
05/17 NEW FOUND GLORY / CATALYST
05/12 藍坊主 / ヒロシゲブルー
05/12 BOOGIE JACK / プラネットホーム (Sg.)
05/12 AVRIL LAVIGNE / UNDER MY SKIN
05/19 METALLIC BROTHERS / SAME AND WAY
05/21 SLIPKNOT / Vol. 3 (The Subliminal Verses)
05/26 ELLEGARDEN / PEPPERONI QUATTRO

06/02 LOCOFRANK / RIPPLE
06/02 SHACHI / EAGLE FLY
06/02 SA / MATHCLESS ATTACK!
06/02 V.A. / PUNK-O-RAMA vol.9
06/02 FRANZ FERDINAND / FRANZ FERDINAND
06/03 FALL OUT BOY / MY HEART WILL ALWAYS BE THE B-SIDE TO MY TONGUE
06/08 V.A. / WARPED TOUR 2004 COMPILATION
06/09 STANCE PUNKS / 19ROLL (Sg.)
06/12 BAD RELIGION / THE EMPIRE STRIKES FIRST
06/22 V.A. / SPIDERMAN2 SOUNDTRACK
06/23 グループ魂 / 荒ぶる日本の魂たち
06/26 AUTHORITY ZERO / ANDIAMO
06/29 MIDTOWN / FORGET WHAT YOU KNOW

07/07 STANCE PUNKS / LET IT ROLL
07/13 THE F-UPS / THE F-UPS
07/14 HIVES / TYRANNOSAURUS HIVES
07/15 ORDINARY BOYS / OVER THE COUNTER CULTURE
07/15 VANDALS / HOLLYWOOD POTATO CHIPS
07/27 LETTER KILLS / THE BRIDGE

08/10 V.A. / ROCK AGAINST BUSH vol.2
08/10 RISE AGAINST / SIREN SONG OF THE COUNTER CULTURE
08/25 ASHLEE SIMPSON / AUTOBIOGRAPHY

09/01 175R / MELODY
09/08 V.A. / PUNK ROCK DRIVE!
09/22 KEMURI / CIRCLES
09/23 GREENDAY / AMERICAN IDIOT
09/23 GUTTERMOUTH / EAT YOUR FACE
09/28 SOCIAL DISTORTION / SEX,LOVE AND ROCK'N'ROLL
09/29 SUM41 / CHUCK
09/29 BRAHMAN / THE MIDDLE WAY
09/29 GOOD CHARLOTTE / THE CHRONICLES OF LIFE AND DEATH

10/06 ANA JOHNSSON / THE WAY I AM
10/12 CHEAP SEX / HEADED FOR A BREAKDOWN
10/14 B-DASH / B-DASH BEST
10/15 SECONDSHOT / SEVEN YEARS BAD LUCK
10/26 V.A. / BOYS ON TOP -a punk rock tribute to AVRIL LAVIGNE-
10/26 DEFIANCE / RISE OR FALL

11/02 STRUNG OUT / EXILE IN OBLIVION
11/03 BOMB FACTORY / ANOTHER DAY,ANOTHER LIFE
11/09 NOFX / THE GREATEST SONGS EVER WRITTEN
11/24 DOUBLE / LIFE IS BEAUTIFUL
11/24 NEW YORK DOLLS / RETURN OF THE NEW YORK DOLLS(live)
11/30 SIMPLE PLAN / STILL NOT GETTING ANY...

12/08 LAST ALLIANCE / UNDERGROUND BLUE
12/15 USELESSID / REDEMPTION
12/15 NOT BY CHOICE / SECOND HAND OPINIONS
12/15 浜崎あゆみ / MY STORY





 最後は浜崎あゆみかよ。らしくねー。

 全部で72枚です。一月に12〜3枚、うち半分よりちょい多いくらいが新譜購入だから丁度これくらいでしょうか。インターネットにサイトを開設して音楽テキストと称するレビューを書くほどの音楽ファンとしては正直少ないと思います。いつも偉そうなこと言ってすいません。
 とりあえず多い時期と少ない時期に随分とバラつきありますよね。確か1月はソニックマニアの出演者の音源を買い漁ってたから、旧譜ばかり買ってました。6月はタワレコのダブルポイントキャンペーンか何かでたくさん買ったかなあ。

 以上、エントリー編でした。明日以降の更新でベスト5、ワースト5、ジャケット5を順次更新したいと思いますので、暇な人と暇でない人はそれまで上のエントリーであれこれ予想してお楽しみください。当たった人には、そうですね、何もあげません。


【2004年総括】購入音源ベスト5、ワースト5、ジャケット5

■ ベスト5編


 最初にお断りしておきますが、このベスト5は1位〜5位という格付けでなく、あくまで気に入った5枚を選んだ、という形式です。そこは誤解なきようお願いします。
 僕個人のネット上のスタイルとして、その音源から派生させたいのはあくまで言葉で表現された考えや感想であろうと心がけてます。満足度でなく、どう満足したかを書きたいわけです。星いくつで評価するとかとかランクで格付けというのは、それ自体の善し悪しとはまったく別次元の発想で僕が目指すところではないのです。やれ1日何ステップのコーディングだ、やれ作業の進捗は根拠のある数値でパーセントで報告しろとか、すべて数値化された中で仕事している理系人間だからこそ、このサイトでは自分の文系的な面を大切にしたい、という発想と解釈してください。

 ベスト5つまり「気に入った音源」の選考規準は、ヘヴィロテで何度も聴くってのはもちろん、自分のなかで存在感が大きいものだったり、何年か後に2004年という年を思い出したときにその2004年の象徴として自然も浮かんできそうだったり、などなどのトータルな感じで選んでます。
 そういった意味ではオススメの5枚ではなくオレの5枚、という感じでしょうか。わあ、さすがインターネット、どこまでも自分中心に閉じてるね。

 では、続けざまに5枚、どうぞ。




■ 1枚目 175R / MELODY

 売れることは、それはそれで立派なことだ。ライブシーンから上がったバンドならば尚のこと。

 冷やかしとか皮肉でも何でもなく、僕は175Rは現在の日本のロックシーンを代表するバンドだと認識しています。それがパンクロックの枠であるかどうかはさておき。彼らのサウンドを若い世代が支持している。歌詞に共感している。それがセールスに出ている。「支持される」これはこれで非常に重要な要素です。
 彼らの批判者やORANGE RANGEのアンチなどがよくクチにする言葉として、「日本の音楽レベル」という単語が出てくる。こういうバンドが日本の音楽レベルを下げている、という類のものだ。なかにはその日本の音楽レベルの低下に対し「ファンのレベルが低い」という、人の楽しみ方や好きなものに対して口を挟むようなとんでもなく恥ずかしい分析もある。一度で良いからどういう音楽を聴くどういうファンがレベルの高いファンなのか説明して欲しいものです。まさか「海外では」とか言い出すんじゃないだろうな。
 もちろん意見は人それぞれ、色々あるだろう。それは当然だ。ただし、僕の意見はそれとは異なる。

 僕個人の認識として、音楽レベル(そんなものは無いと思いたいけど、とりあえず便宜上)とはオンリーワンでなくナンバーワンがたくさんいる状況だと思ってます。
 それはセールスやマーケット的には差はあれど、パンクロックの世界のナンバーワン、ジャズのナンバーワン、J-POPのナンバーワン、アイドルのナンバーワン、HIP HOPのナンバーワン、などがたくさんいる状態。そしてさほど離れた位置にいないナンバーツーやナンバースリーが、その世界に則った手法でナンバーワンを目指す。そんな群雄割拠の状態こそ、(あくまで便宜上ではあるが)音楽レベルが高いと表現できると思う。日本国内でパンクファンもアイドルファンもマイノリティに過ぎず、とある一人のアーティストが出すアルバムが当たり前の様に1,000万枚売れてしまうという、まるで北朝鮮の将軍様を崇拝してるかのような状態を仮定し比較してみれば、色々な嗜好の市場が広がっている群雄割拠の状態が健全だと解るだろう。
 175RはJ-POPという領域にライブを大事にするシーンの代表として切り込んでいった。そして世間に充分認知される存在としてのナンバーワンになったと思う。そして彼らに引っ張られるようにナンバーツー、ナンバースリーのインディーズ/ライブシーンのバンドが現れ、知名度を上げていく。僕の認識では彼らは日本の音楽レベルの向上に貢献したと思うのだが、間違いだろうか。




■ 2枚目 SUM41 / CHUCK

 そんな理想的群有割拠のなかには、もちろん洋楽というカテゴリも存在する。そしてこのカテゴリの面白い点の一つとして、日本で流行る洋楽が存在する、という点が挙げられると思います。
 要するに「世界的には売り上げは落としているものの、日本では着実にファンを増やしている」というバンドなんですけど(ここは笑う所だよ!)、その代表が今年もサマソニにやって来たSUM41です。

 2004年のビルボードを見るかぎり、チャート上の成功を収めたパンクバンドはGREENDAYしかも一人勝ちという印象ですが、彼らSUM41は日本ではそのGREENDAYと並ぶ人気を誇っていると思います。
 その2バンドが2004年9月末という非常に近い時期にアルバムをリリースしたのはちょっと面白いバトルの様相だったので、個人的に非常に注目してました。2バンドともアルバムに対するアプローチは随分異なっていて、「原点回帰+組曲要素」のGRRENDAYと「メタル+アヴリル効果」のSUM41、という構図が興味深かったのも事実です。特にSUM41はゴジラへの曲提供というずいぶん日本を意識したプロモーションを展開したしね。それにしてもメタルでゴジラ、お前らメカゴジラか。

 結果としてはここでもGREENDAYに軍配が上がり、大御所としての強さを見せたのでしたが、「思い切った」「飽きさせない」アルバムを作ったという意味では僕はSUM41のアルバムの方が気に入ってます。今後、これらのバンドが日米両国でどう売れていくか、非常に楽しみなところですが、個人的に次のアルバムは日本ではSUM41の方が売れるんじゃないのかなと予想してみます。今後もSUM41の方が日本でのプロモーションを大事にしそうな気がするし、そのぶん売れるんじゃねえの?という単純なロジックで。まあ予想なんてそうそう当たるものじゃないけど。
 あと2004年に何回同じネタ使ったか忘れたけど、僕はアヴリルの本当の恋人だからね。必死で横恋慕するライバルを認めるってのも男としての器量だぜ。
 ・・・アヴリル、今日もデートに来ないなあ、STILL WAITING。




■ 3枚目 CHEAP SEX / HEADED FOR A BREAKDOWN

 1枚目、2枚目と売れ方・チャートリアクションという観点で選んでしまいましたが、本来うるさいロック、とくにパンクロックではそんな世俗的なところに拘らなくても楽しめるというのが最大の魅力です。好きなバンドを好きなように聴こう。そこで選んでみました、ストリートパンクバンド、CHEAP SEX。
 このバンドを紹介するとき絶対にはずせないのは、VIRUSの初代ヴォーカルことMIKE VIRUSが中心となって結成されたということでしょう。ただし、あまりVIRUSとの共通点はないように感じます。改めて誰が書いた曲か知らないけど"STILL FIGHTING FOR A FUTURE"のような名曲を生み出すパワーはVIRUSならではのパワーなんだってことを再確認。

 リリックは社会への不満やありきたりなブッシュ批判とあくまで普遍的なパンクロックの域を出ないんですが、彼らのサウンドはこの手のバンドのアルバムにしては比較的珍しく同じ方向を向きながら広がりを見せてます。曲調がね、色々あるの。#3"DESPARATION"みたいなややのんびりしたものから、とにかく性急で野太い#7"WORST NIGHTMARE"、ぜんぜん良いと思えない不要曲である#12"WALKING DISEASE"まで盛りだくさん。やや、もちろん超褒めてます、大好きですもん。

 経歴から言って売り出す感が漂うのも事実ですが、それはそれとして聴きやすく印象に残る曲が多かったお気に入り盤。これは本気でオススメです。このベスト5で一番オススメ色が強いのはこれかな。




■ 4枚目 SECONDSHOT / SEVEN YEARS BAD LUCK

 パンクロックは進化と変化の歴史を辿ってきた、というのはおそらく多くの人の共感を得ることができると思う。もちろん、どんなロックもそうだとは思うけど、この「進化と変化」というスタイルを看板として大きく掲げている点はパンクの特徴であることは間違いない。
 ただそんなパンクロックでも、普遍の人気を誇るのがメロディック系、いわゆるメロコアさんです。BAD RELIGIONが"SUFFER"を発表して以来、不動の人気を誇るこの爽快な音、もちろん僕も大好き。そして今年はオリジネーターであるBAD RELIGIONが"THE EMPIRE STRIKES FIRST"を発表、ファンが求めるBAD RELIGION像の期待を裏切らなかったことは記憶に新しいことです。

 ただBAD RELIGIONはその後ろめたいバンド名が象徴するように、やや暗いサウンドです。哀愁系なんて表現もありますけど、要するにどうも重苦しい。
 それに対し、明るいノリの爽やかメロコアを重視しているのがFAT系かなと個人的に思ってます。そのFATに絡んでくる重要人物として、NOFXやNO USE FOR A NAMEのプロデューサで知られるRYAN GREENEなる人物がいます。彼のサイトの"WORK"のコンテンツ見れば解るとおり、FAT系中心のいろんなメロメロバンドの製作に携わっている、まさにFAT影のGOD(略してファゴッド)。ちなみにこの方、実は皆様よくご存知のHi-STANDARDのミックスもしてるんですよね。嘘だと思うなら"MAKING THE ROAD"の歌詞カードを見てご覧。ね。

 ずいぶん長い前フリとなってしまいましたが、4枚目に挙げるのがそのファゴッドプロデュース(略してファゴップュ)のSECONDSHOT。おそらくレーベル買い人口が最も多いFAT好きの人にはド真ん中の仕上がりです。超メロディック。
 #1"SORRY"はタイトルそのまま、サビの謝る部分がやたらと印象的なだけで個人的に1曲目を飾るには中二階な感じなんですけど、#2"TODAY"からアルバムは一転、まさにサプライズ。良質スッキリなメロコアの連続ですごいハマります、これで便秘でお悩みの方のお通じもすっきり(保証しません)。そして個人的にもっともキラーチェーンなのは#11"RAT RACE"、もうタイトルどおりにネズミが細かく走り抜けるようなギターが印象的で聴いててチョー気持ちいい。
 以上、2004年流行語大賞を交えながら簡単にアルバムの中身を書いてみました。この段落書くのに頑張って頑張って汗まみれになりながら、5分位は考えたぜ。気合だー!

 実はFATからのリリースじゃないんでんですが、そのうちFATからリリースする気配濃厚、と個人的に踏んでます。すでにUSではオフスプやRANCIDやイギー・ポップ(!)と言ったビッグネームと共演、いずれ大物になる可能性が非常に高い存在です。先物買い大好きなロックファンは是非いまのうちにチェックし、ブレイクしたら「オレは前から聴いてたんだけど」と近所のおばあちゃんに自慢しよう。これが出来ないヤツは負け犬だ。




■ 5枚目 NOB / COLORS

 2004年、もっともショッキングだった音楽ニュースはNOBのメンバーの事故死でした。ここに詳細を書いた通り、出待ちとかに興味関心がなく、バンドやアーティストに対して音源を聴いたりライブでステージ上のパフォーマンスを見ることしかない僕には、NOBというバンドは偶然ながら直接触れることがあった数少ない存在だったので、特別に応援する気持ちが強かったのは確かです。HMVやタワレコのインディーズチャートで上位ランクインしたとき本当に驚いたけど、同時に何だか嬉しかった。これからも頑張って欲しい、またライブに行きたいななどと思っていた矢先なだけに、なおさら残念でした。

 正直、このアルバムはなんかギラギラした日本的メロコアの本流で、新鮮味溢れるものでも何でもありません。ただこういう音楽が日本でまた売れだしたことを確認する存在で、マーケット的な「売れ方」「売れ筋」を見る上で重要な一枚だと思います。そんな訳で、失礼ながらここに挙げた5枚のなかで最も飽きが早かったものです。
 でもそんな、音源への評価でなく。僕自身にとって"COLORS"は2004年の忘れられない一枚であることは間違いありません。とっくに飽きてるけど、ふと聴きたくなって聴いてしまう一枚。こんな一枚、たぶんそんなに出会えるもんじゃないだろう。




 というわけで以上がベスト5編でした。ぶっちゃけ、書きながら予定と予想を遥かに超えるヴォリュームになってしまいました。こんなに頑張るつもり無かったのに。僕もまだまだ甘ちゃんですね、坊やだからさ。

 もちろんですね、ここに上げるのは5枚じゃ足りない。他にも気に入ってヘヴィロテで聴いてた音源や思い入れのある音源はたくさんあります。AVRIL LAVIGNEもSTANCE PUNKSもRISE AGAINSTもSTRUNG OUTもよく聴いた。でも、できるだけ偏らずバラエティ豊かになるように、上の5枚を選びました。
 願わくは。2005年も良い"うるさいロック"どもにたくさん出会えますように。


【2004年総括】購入音源ベスト5、ワースト5、ジャケット5

■ ワースト5編


 前回、ベスト5の発表から随分と間が空いてしまいましたが、次はワースト5を発表したいと思います。
 ワースト5の選考基準は、買ったけどどうも期待はずれであり、結果としてあんまり聴いてないなあという音源を選びました。この選考基準ゆえ、どうも「期待して買った音源」が不利だった傾向があるようです。もちろんベスト5同様、この5枚の中に格付けはありません。あくまで5枚選んだ、というスタンスです。

 また改めて言う必要もないことだと思うんですけど、このワーストに選んだことで僕はそのバンド・音源を不当に貶める意思は全くありません。ここに選ばれた音源は買ったら損だ、という類の主張ではないことをよく理解して頂きたいです。ていうかいちいち人の意見に左右されんな。雑誌の提灯記事や広告文句含め他人の意見・感想などなど、目の前の情報をツールとして活用するのが現代人の生きる知恵だっつーの。ツールに振り回されんなって。

 とまあ「自己責任」という言葉の意味が理解できなさそうな連中に対する予防線をきっちり張った上で。自分の負の感想を発表したいと思います。ちなみにベスト5枚を選ぶってのも充分に難しいことでしたけど、ワースト5枚を選ぶってのはそれ以上に難しい行為ですよね。




■ 1枚目 B-DASH / B-DASH BEST

 日本で高い人気を誇るメロコアバンドの一つ、B-DASH。音楽的にはキャッチーなメロディを基本とし、イメージ戦略としてはCGで作られたかわいいキャラクターで展開し、そして何より歌詞という概念を越えた「適当めちゃくちゃ語」による歌詞を他の追随を許さない個性としている。イロモノ的な要素と本格的メロコアサウンドの絶妙なブレンドとバンドメンバーのブサイク具合がティーンを中心に幅広く支持されていることはこのサイトを見てる人ならよく知っているところでしょう。
 このバンド自体はすごく良い。僕も大好きだ。ただ、彼らの独創的世界観の楽曲を「ベスト」と称されてこれほど並べられてしまうと話は違う。

 彼らの普通のアルバムを普通のアルバムとして聴くのはまったく問題ないんですよ。むしろ個性を誇るキャッチーメロディバンドの面白アルバムとして楽しめる。けど「ベストです」とか言われると「ベスト?」と疑問符がつく。だって各曲とも同じ方向にぶっ飛んだ個性がありすぎて同じに聴こえるんだもん。ギター侍のネタって一度に3つくらい見るなら楽しいけど「拙者のベストでござる」と30個ぐらい見せられてみ?飽きるよ、残念。

 最近のお笑いはフォーマットの確立が重要だと思います。上で引き合いに出したギター侍とか、「ヒロシです」から始まる一言ネタとか、そういうの。中には「あるある探検隊」とかいうクドくてテンションが高いだけの何が面白いのかさっぱりなのも居ますよね、あいつらは極力ブラウン菅に登場して欲しくないです。
 ちょっと話がそれました。とにかくこういうフォーマットを作り出すと瞬間最大風力としては非常に強いんですが、その反面、寿命の短さという裏目がどうしても出てきてしまいます。まさにロンドンパンクのムーブメントのように。
 幸いにしてB-DASHは「普通の日本語も歌います」ということで寿命を延ばすことも確実に行っています(これは実に上手いやり方だ)。それでも結局「適当めちゃくちゃ語」という強烈なフォーマットを生み出して成功したバンドはベストとか合わないんだと言うお話でした。土井!




■ 2枚目 STANCE PUNKS / LET IT ROLL

 和洋ともに聴くと公言しつつ購入する音源は洋楽の方が多いという僕ですが、それでも「一番好きなバンドは?」と聞かれたら散々悩んだ挙句にやっぱりスタンスパンクスかなあ、と答えるでしょう。年甲斐もなくミーハーです。
 そのスタンスパンクスですが、2003年の終わりにドラム脱退、ライブもできなくなってしまい活動休止という状態でした。そんな状態で2004年を迎えた彼らの、半年間の活動休止そしてシングルの連続リリースにアルバム発表などの一連の動きをこの1年間、1人のファンとしてずっと見て来ました。
 この1年間で最も印象的だったのは待望の2ndアルバムの内容が今までの楽曲に対し随分と変わってしまったことです。正直、僕が期待していたものでなかったのでがっかりしました。

 ただ、今更ながらそのがっかりの根本原因を考えてみると。確かに彼らがバンドとして変わったんでしょうけど、それ以上に「がっかりの根本原因」という意味では、その変化に僕が付いていけなかったことなんだなと思います。要するに僕は未だにガキ臭いメロディにしがみついてる。取り残された状態です。

 たぶんね、他のバンドだったらきっとこんな考え方はしなかったでしょう。僕もいい年です。けどいい年した僕が、青春というキーワードが合っているかどうかさて置き、一瞬でも子どもっぽい気分にさせてくれるのが唯一彼らの音だったんだと思う。唯一、て言葉は語弊があるかな。とにかくそんなエネルギーを一番持っていた。持っていたはずだった。だけど今回の彼らのアルバムで僕はそんな気分になれなかった。
 彼らが変わったのは確かだけど、僕は変われなかった。そこが一番大きいんじゃないかなと思います。個人的な曲解釈として"ロクデナシの空に"は「時間とともに変わっていく自分とそれでも変わらない自分の内面的両立」を歌ってると思ってるんですが、この曲で今の自分はどっち側なんだろう、とか思った。

 まあそんな自分が自分で大好きなんですけどね。だって嫌じゃん、歳食うだけ食ってどんどん変わっていくとかさ。個人的にはどんなに歳を重ねても、言葉や考え方が責任とか世間体とかに染まっても、子ども心を忘れたくないなと思います。だから子どもっぽく言うとさ。

 こんなアルバム、何がいいのかさっぱり解んねえよ。今時スタパン最高とか言ってるヤツはガキだっつーの。




■ 3枚目 VANDALS / HOLLYWOOD POTATO CHIPS

 音楽雑誌にしろネット上のレビューにしろ、バンドを紹介する際の修飾語として「お馬鹿な」という冠詞はどうやら便利らしい。歌詞にちょっとシモネタを使った、ライブで楽しそうに卑猥な言葉を連発した、全裸で街を走り回るなどのPVを作成した、などなどのエピソードを持つ「お馬鹿な×人組」。そんなキーワード見飽きたっちゅうねん。
 とどのつまりは「お馬鹿な」という冠詞がよく使われている事実に比例して、「お馬鹿な」と呼んでもらうのが簡単な時代となりました。馬鹿ばっかりの馬鹿黄金時代。

 ただそれらのキーワードってバンドのキャラクター性に着眼したもので、音楽性が馬鹿だったことはほとんどありません。
 そこで考えてみるわけです、音楽性がお馬鹿ってどんなんや?お馬鹿なバンドが氾濫するこの時代に、まだ見ぬお馬鹿を求めて大海馬鹿を後悔する、そんなアメリカ大陸を発見する意気込みのコロン馬鹿が見つけたのは「お馬鹿なメロディ」VANDALSでした。

 だってさ、ロックじゃんね。歌詞とかPVの前に、馬鹿であるならメロディが馬鹿であるのはかなり重要なわけ。まあ正直VANDALSくらい歴史が長いバンドだとすべての音源集めるのは困難だけど、僕が持ってるアルバムで"INTERNET DATING SUPER STUDS"(2002)が一聴の価値ありの馬鹿メロディでさ。このセンスを求めてこの"HOLLYWOOD POTATO CHIPS"を手に取ったわけ。

 ところが今作。あんまり馬鹿っぽくない。これはけなして言ってます。お前ら、このアルバム馬鹿っぽくねえよ。まあジャケットは安っぽいけどな。これはけなしてません。とにかく馬鹿メロディを求めた僕にはこのアルバムはイマイチなものでした。

 もしかしたらコアなVANDALSファンは「そんな勘違いしとるお前が悪い」と言うかもしれませんけど、音楽の評価なんて世の中全ての人に共通する絶対的なものでなく、あくまで自分の経験の範囲の相対的なものであって。今後VANDALSの過去の音源をいろいろ買っていくと「馬鹿メロディとか求めるバンドじゃなかったのかも」という結論に至るかもしれないけどね。
 けどこれは変わらない。「"HOLLYWOOD POTATO CHIPS"はイマイチだった」「"INTERNET DATING SUPER STUDS"のお馬鹿なメロディ最高」。




■ 4枚目 V.A. / ROCK AGAINST BUSH vol. 1&2

 このアルバムをリリースすることによって、ファットマイクさんが何か狙った部分があるとしたら、それは僕に関しては大失敗な結果です。僕にとってこれはDVDまで付いた安くてお得なコンピ盤でした。そんだけ。

 だって俺日本人だもん。大統領選挙に関心はあったけど、それはあくまで日本人としての視点だもん。アメリカ人でもイラク人でもキリスト教徒でもねえもん。第一、選挙権ねえもん。別に日本に政治批判するバンドが出ないことを嘆いたわけでもねえもん。これはこれで海の向こうの文化だもん。
 まあよほど他に書くネタがなかったのか、こういうのに影響を受けて煽る音楽ライターが多いことと、その活字ロックに乗せられるキッズが多いのはよく解りました。

 真にホネのある音楽ライターにお願いしたい。確かにアメリカの音楽について書くならアメリカの社会現象を引き合いに出したいのは解る、じゃあ日本の音楽について書くならそれこそ日本での在日外国人が公務員になれることや選挙権が与えられるかもしれないことなどの、本当に日本国内を見据えた、それこそ日本国内の右翼左翼に狙われかねないテイストを絡めた音楽批評とか書いてくださいみやがれ。そっちの方が面白さそうだからさ。まあどうせ編集部という壁を打ち破れないとは解ってるけどね。

 僕?僕は趣味の範囲、無報酬そして匿名で好き放題書いてるからね。幸せ。




■ 5枚目 MIDTOWN / FORGET WHAT YOU KNOW

 今までの作風と変わったアルバムは賛否両論分かれる。これはむしろ当然のことだ。そしてMIDTOWNの通算3枚目になるこのアルバムも見事なまでにこのフォーマットに則ってしまいました。つまり今までの作風を大きく変えてこの作品をリリース、そして「俺が望んでいたMIDTOWNはこんなんじゃない!」と嘆くファンを大量生産しましたとさ。

 僕もここでこのアルバムを「2004年ワースト5」の一枚に挙げてるからには、期待して購入したこのアルバムに相当がっかりしている一人です。ただし、僕のがっかりは前作、前々作のMIDTOWNに惚れ込んでいたがために失望した彼らのファンとは少々異なる。なぜならこのアルバムが僕にとって初MIDTOWNだからです。
 つまり期待しているものと違ったことに対して失望したファンに対し、前作、前々作という評価基準を持たない僕はファンになりそこねて失望している人間です。この不思議な共存を実現させてしまったアルバムは、相当に駄作だったんじゃないでしょうか。

 実際、単調で似たような曲が続くしアルバムとして聴いても抑揚がまったくない。色々と詰めようとした結果むしろ薄っぺらくなって、それを誤魔化すために最後のトラックが無駄に長い、という印象しかありません。インターネットで彼らのアルバムを絶賛するレビューを幾つか見ましたが、非才な僕には無理です。だって褒める言葉が見つからないもん。本当につまらないアルバムでしてた。こりゃ作風が変わったことに対する否定論が多いわけじゃないよ。単純につまらないアルバムだからでしょ。
 個人的に戦犯はプロデューサのブッチ・ウォーカーじゃないかなと思います。正確には、MIDTOWNの4人組とブッチ・ウォーカーの相性が極度に悪かった。アヴリルの"MY HAPPY ENDING"とかはかなり良いプロデュースだし、SIMPLE PLANの「バラードもこなすポップパンク路線」は素晴らしい相乗効果だったわけですからね。でもまあ、繰り返すけどこのアルバムは酷いよな。

 以上、かなり酷評しました。よく知らんバンドで前作もどんなか知らない。でもこのアルバムは何の予備知識もなく聴いて、そして普通に聴いてられない代物で、2004年購入音源のワースト5入りに相応しい音源でした。"FORGET WHAT YOU KNOW"?初めから何も知らんっちゅーに。



 以上、ワースト5編でした。締めの言葉は特に無し。





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