BOMB FACTORY / GO THIS WAY　　（2002.1.30）

　91年結成の日本のパンクロックバンド。メンバーは全員山形県出身で、さらにヴォーカルとギターが兄弟しかもハンサムという、何だかグッド・シャーロットを彷彿させるものがあります。楽器演奏の素人の僕にはよく解らんのですが、演奏上手いらしい。
　そのあとに蓮沼2002に出演し、インディーズ大好きキッズの注目を集める。他には二度に渡ってヨーロッパツアーを行い、かつ2003年のツアーでは海外の大きなフェスに参加した、という実績あり。まあ大きなフェスって言ったらいろんなバンド出るから何とも言えないのが実態ですけどね。サマソニやフジロックだって超一流バンドしか出れないってわけじゃないじゃん。

---

　彼らが世間に注目されたきっかけはおっぱい揺れ揺れ対戦格闘ゲーム"DEAD OR ALIVE 2"に曲提供したあたりです。
　"DEAD OR ALIVE"は女性キャラのおっぱいの揺れにこだわったゲームで、以降の格闘ゲームの女性キャラはおっぱいが揺れたほうがゲーマーに受ける、という一つの（何だか間違った）定石を築いたいろんな意味で名作ゲームです。断っておきますが一応、エロゲーじゃありません。
　それを受けてか、対戦格闘ゲームブームの元祖「ストリートファイターII」では12人中女性キャラが1人だったのに対し、最近の格闘ゲームは格闘技をテーマにしたゲームでありながら女性キャラが多い（20人いたら8人くらい、とか）というちょっとアレな「売れる法則」が出来てしまった気がします。何度も断っておきますが一応、エロゲーじゃありません。

　おっぱいが激しく動く「静と動」。これをパンクロックに取り入れたらどうなるか・・・？その答えが"BOMB FACTORY"、爆乳ファクトリーです。

---

　強引な書き出しですいません。彼らの楽曲の「静と動」について書きたいと思ってたらたらこんなオヤジ臭い表現になってしまいました、お詫びして決して訂正しません、断固として。
　まあそれはともかく。個人的に彼らの曲で気に入ってる部分は、編曲の妙であり、よくある言い方を使えば上でも触れた「静と動の両立」です。
　本来シンプルに曲を構成するのがパンクのお約束なんですが、彼らはそれに関してはまったく縛られず曲を書いていて、それでいて一つの曲をすっきりとまとめている。なかなか無いですよ、こういう妙技は。ちなみにまったく違う曲を無理矢理つなげて一つの曲にする天才に清春って人がいます。僕はこっちも好きですよ、"ピストル"とかシングルであれをやってのけたのは尊敬に値しますから。
　BOMB FACTORYのその妙技はこのアルバムだと、トラック1"DOWN"、トラック11"RAGE"あたりでその妙技が光ってます。聴いてて曲展開に引きずり込まれる。

　そんなわけで、個人的に非常に評価の高いバンドです。独特で面白い曲展開を見せるし、上で素人だって断言しといて言うのも何だけど、音源聴いた限りでは色んな意味でしっかりした音を出してる。ところがリミテッド（Limited Records）より音源をリリースしているからどうも損な評価を受けてる気がします。
　そりゃ重さ激しさではナパームデスには敵わないし、姿勢として徹底的に商業主義を批判するGAUZEほどの強さもないし、パンクサウンドとしてもストリートパンク勢やD-BEAT勢などの正統派なものでもない。けどそれらある種突き抜けた方たちと並べてパンクバンドじゃないと批判される謂れはないし、ましてリミテッドだからという理由でエピタフが世界のパンクの8割のように捉えている連中に馬鹿にされる筋合いはないだろう。
　BOMB FACTORYはBOM FACTORYとしてとても良いバンドですよ。パンクとしても充分に楽しめます。

---

　好きな曲は上で挙げたあたりなんですけど、良い意味で全体的に均質でどの曲でも彼らの魅力は充分に楽しめるはずです。
　また、今年リリースされたシングル"DISCORD"が激烈にカッコいいし、それを収録したニューアルバムもなかなか良いです。いつか時間があればこっちについても「現在のBOMB FACTORY」という観点で書いてみたいなと思います。何て言って他にも書きたいバンドとかたくさんあるから、全然書かないんだろうけど。

オフィシャルサイト：http://www.bombfactory.jp/　（リンク先音あり注意！）