update2003.10.3

CASUALTIES / FOR THE PUNX  (1997)

 1990年にカリフォルニアで結成されたハードコアパンクバンド。鋲ジャンにスパイキーヘア及びモヒカンの兄貴たちが作る音の大災害。


 演奏を頑張って文字と言葉で表現すると。要所要所でしっかり目立つ連打をはさむドラム、目立ちすぎるギターと、目立たなすぎるベース。そして喉にアヒルでも飼ってるような擦れシャウトヴォーカル。この4つが同じフォーマットを忠実に守り、アルバムのどこを聴いても同じと言う、金太郎アメパンクを繰り出す(誉め言葉)。だってどのトラックから聴いても、ギターが覚えやすい旋律を繰り返してヴォーカルが喉からアヒルを吐き出してるんだもん、ピッコロ大魔王のように。
 それにしてもドラムの連打がすごく心地良いです。曲のアクセントとして効果的だなあと。あとは聴きやすいメロディがしっかりあるんで、このあたりはG.B.Hとかに近い印象があります。

 しっかしジャケ写真見ると頭派手だなあ。ガチガチに固めた真っ赤なモヒカンは、顔本体より1.5倍ほどのサイズ。車にどうやって乗るんだ。乗れたとしても首が痛いし集中できなくて非常に危ない。免許取消しだな。


 とあるCDショップでRANCIDのINDESTRUCTIBLEが発売されたとき、「このCD気に入ったらこっちもオススメ」という流れでCASUALTIESとUNSEENが一緒に並んでいたんですが、ちょっとなあ。本国アメリカの状況というのを肌で知ることがない僕にとって、アメリカ国内においてCASUALTIESとRANCIDがどのような認識を持たれているか知る手段がないのですが、根本的にマーケットが違うのではないでしょうか。規模と言い、性質と言い。特にRANCIDのINDESTRUCTIBLEは音が違いすぎます。INDESTRUCTIBLE買って気に入った人がCASUALTIES買ったらびっくりするんじゃないか。RANCIDは上手くまとめすぎてるよ。もちろんこれは優劣という観点でなく、聴く人個人の趣味という意味で。マーケットが被らない。
 流通とメディアにはびこる安易なジャンル分けの弊害だと思います。


 お気に入りはやっぱり1.FOR THE PUNX。あとついさっき「全部同じような曲」と誉めたておいて何々ですが、12.PUNK ROCK LOVEは曲名も異彩を放つけど曲自体もシンプルで特徴的なギターが異彩を放つ。歌詞的には苦い失恋ソングですが、金太郎アメの1ヶ所だけ砂糖が多かったのかなあと思うほど甘い内容の曲となっております。




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