update2004.6.19

locofrank / ripple  (2004.6.2)

 98年に大阪で結成された3ピースメロディックコア?バンド。結成当時は「相撲茶屋」だったバンド名を2003年4月、約1年前に「locofrank」に変更する。そしてその「locofrank」名義で昨年10月にリリースの1stミニアルバム「Starting AGE」が脅威のロングセラーとなりブレイク。
 そして今回紹介するのが1stアルバム「ripple」。現段階で、HMVインディーズチャートで初登場3位、先週今週と1位。またオリコンアルバムウィークリーチャートでも最高10位を記録。充分に「売れている」と呼べる領域に到達。今後の日本のインディーズシーンを引っ張っていく存在として注目される。



 前作である「Starting AGE」(以下「前作」)で好調な滑り出しを示したlocofrank。そのlocofrankが約半年という短いスパンでリリースしました。そんな商業的な戦略を強く感じるアルバムがどんな仕上がりか。このメロコア復活の日本のロックシーンをどんな曲で攻めてくるか。そしてそれが、どんな評判となるのか。
 音源やライブなどの他、ロック系インディーズ/ライブバンドシーンの動きや流れなども楽しむ僕としては、その点についても関心が非常に大きかったです。

 結果は、とても評判が悪い。

 日本で主流となっている「メロコア」と呼ぶには控えめであったにしろ、それでも前作のミニアルバムがはライブキッズが大好きなエッジの効いた音だったのに対し、今作はさらに控えめになっているわけで。ミニアルバムが良かった人たちにとっては不満が残るものだったようです。

 ただ、僕は「前作と比較」とは離れた観点で見てみたいと思う。

 ポイントは、アルバムの最後を飾る「12. STORY」。



 ネットで拾った情報ですけど「12. STORY」は相撲茶屋時代のデモテープに収録されている曲だそうです。ここに収録されているということは昔からの(相撲茶屋時代の)ファンにも人気があり、またメンバー自身も気に入ってるんだと思います。つまり、やや強引ですけど「相撲茶屋」というバンドの代表曲、と解釈します。
 つまり、もともとの彼らの音楽性はこの曲のようなものではないか。そう考えるとむしろ前作が彼らの歴史のなかで特殊だった、という気がしてなりません。

 これは結局、彼らが前作を経て元の音楽性に戻った、ということだと僕は解釈しています。locofrankというバンドでありながら、一年の歴史しか持たないlocofrankという単位の根本である彼ら自身の「今まで」を出してきた。

 前作は確かに良かった。ただその前作とだけ比較して「前作のほうが良かった」と評価してしまうのは僕はどうも同調できません。彼らには彼らの良さや演りたいことがある。彼らがこのようなアルバムを出した、そして「12. STORY」を最後に配置した。そこに意味があるような気がします。

 リミテッドと契約してCDをリリースしたけどさ。この早いスパンでのアルバムリリースに商業的戦略を感じたけどさ。今回のアルバムは彼らが演りたいことをそのまま演ったと評価できると思います。
 だから前作とだけ比較して良い・悪いを判断するのは止めた方が良いよ。このアルバムはこのアルバムとして評価しよう。



 まあこう書くと「じゃあlocofrankのメッキが剥がれたんだな」とする人がいるかもしれません。それはそれとして一つの評価だと思います。まあ僕は「次はどんな音源を出すのかな」を注目しますけどね。この路線で突き進むか、無難な売れ線で行くか。これはこれで一つの「STORY」として楽しみにしてます。
 好きなのは「1. voyage」「7. Mountain range」「11. No all others」「12. STORY」。




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