update2003.12.8

MONGOL800 / ヨロコビノウタ (2003.12.6)

 普段、このサイトを見てくれている方ってのは、どちらかというと日記や最近はあまり更新していない(すいません)ネタ系テキストを読んでいる方が多いようで、あまり音楽テキストは読まれていないようです。掲示板でも音楽テキストに関する話題はあまりないですし。しかし、今日は昨日更新したblink-182やOFF SPRINGでさえも「?」な方でもよくご存知なバンドじゃないでしょうか。
 というわけで。大きい流通での音源としては3枚目、2年3ヶ月ぶりの「MONGOL800」のニューシングルを題材とさせて頂きましょう。沖縄発の3ピースメロディロックバンド。



 思いきったシングルをリリースしたな、という印象です。全3曲とも、冬およびクリスマスをイメージさせる、音数が極めて少ないゆったりしたバラードです。

 確かに今までのアルバムでもこういう曲はあったので、MONGOL800らしい要素と言えなくはないのですが、それでも極一部という要素じゃないでしょうか。その要素が非常に凝縮され、まさに「結晶」となったシングルです。しかし、結晶となってしまったが故に、多くのファンがMONGOL800に求める全体像とはほど遠いシングルではないでしょうか。喩えるなら、ゴレンジャーのオモチャを買ったら中にはアオレンジャーしか入ってない、みたいな。みんな、本当はライブでダイブしまくったり、スチャスチャ踊れる曲が好きでしょ?
 そう言った意味で、「思いきったシングルだなあ」と思いました。

 何を求めるか、などの好き嫌いの話を置いといて。個人的に沖縄のバンドがこういう雰囲気の曲を出してきたことがなかなか楽しめると思います。歌詞のなかにも
>この島に雪は降らねど 語れる冬の思い出
 とあるように。ていうか、メンバーの方は沖縄育ち故の雪への憧れってあるんじゃないでしょうか?1stアルバム「go on as you are」の「ホルモン」も、雪への憧れがはっきり読み取れる歌詞ですよね。本州の人とは反対なわけですよ。本州の人ってけっこう「沖縄行きたい!」ていう人多いし。・・・と思ったら「北海道行きたい」も多いな。日本人、東京が好きなクセによくわからない。




 まあいいや。




 3曲目、「ROMEO+JULIET」のサビのメロディは「Message」の「Melody」のサビに激似。わざとでしょうか?




 まあいいや。




 僕の中では、もともとモンパチさんは「矛盾の上に咲く花」や「GEORGE」のような、反戦・平和ソングのイメージが強いバンドなんです。前作「Message」のメッセージとはそこではないか、と個人的に解釈してました。沖縄の痛みを伝えたいとか、世の中が平和になるには個人個人が愛し合うことだ、などなど。
 そういうわけでして。このようなバンドだからこそ、そしてこのような時期だからこそ、反戦ソングをリリースするんじゃないかな、と思ってました。元々、平和を掲げるテイストを持ったバンドですから、反戦ソングとか出してもまったく違和感なく、「時代に乗ろうとしてるな」という視線に晒されることはなかったはずです。というより、最初リリースされると知り、かつ「ヨロコビノウタ」というタイトルを聞いたとき、「争いをやめてみんなで平和に・・・」という方向性だろうな、と思ってました。思い込んでました。

 そしたらそこにはまったく触れないシングルだったわけでして。
 僕の中では、これはけっこう意外なことでした。

 ところが、考え様によっては、ソニンのPVでさえも「NO MORE WAR」の言葉が踊り出る時代に、あえて反戦ソングを出すようなことをしなかったのかなあ、とも思えます。逆に面白くないだろ、という感じで。
 もっとも、僕がどう想像したところで「真相」は解りませんが。
 そんな真相とは関係ない、こういうシングルを出した表面的な「事実」に、ちょっとした感想を抱きました。今回はそれで締めたいと思います。



 このシングル聴いて思ったこと。それは、テレビの向こうで戦争している時代に「日本はクリスマスやら冬やらを平和に楽しめるステキな国なんだぜ」ということ。イラクなんて雪とゲレンデがあっても、ボーダーがナンパしてる場合じゃない。自衛隊がどうとか、関係なく無邪気に楽しめるってのは、最高の人生じゃないか。最高の人生のはず。

 それこそが、ヨロコビノウタ。自殺なんかするなよ、勿体無い。




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