update2004.10.24

OVER IT / TIMING IS EVERYTHING  (2003.11.11日本盤)

 1999年にバージニア州アレクサンドリアで高校の友達同士だった4人が結成したメロディックパンクバンド。ということは彼らは現在も20ちょい過ぎくらいのはずでして、うわあ、若いね。そんな彼らの2ndアルバムがこちら"TIMING IS EVERYTHING"。

 去年はYELLOWCARDと来日しました。そのYELLOWCARDが先日NEW FOUND GLORYと来日してライブをしたことを考えると、NEW FOUND GLORYとOVER ITもつながるわけです。言うなればOVER ITはNEW FOUND GLORYやYELLOWCARDとは「一緒にライブした」ってカラムでLEFT OUTER JOINと言えるわけですね(nullがありえる)。
 以上、一応プログラム開発者としての一面を見せてみました。書類整理のINSERTはできるの、でもSELECTができないの。

 一部の解る人の嘲笑を誘っといて、そいじゃ以下↓本文いってみよ。




 若いキッズに大人気のメロディックパンク、いわゆるメロコア。「聴かせるメロディ」を標榜するこのメロコアでよく使われるギターの音をいくつかタイプ別に分類してみます。とりあえず以下。

 ■ メタル系
 ■ 伸ばす系
 ■ 回転系
 ■ ザクザク系

 どういうことか順番に説明しましょう。まずメタル系。本来水と油と呼べるパンクとメタルですが、パンクが時代とともに変化したことに伴い、メタルっぽい高音で大胆なメロディを取り入れることにより、このタイプができました。非常に解り易い特徴ですよね。SUM41特に2ndアルバム(ポップパンクと分類されるけど、まあメロコアとしてもセーフかな)とかRUFIOがこれに当たるかなと思います。
 次に伸ばす系。これも言葉どおりそのまま「じゃーーーーじゃーーーー」と伸ばすような音で、文字にするとあまりに間抜けで情けない雰囲気がしますが、メロコアで大事な要素となる美メロを作るにはこれを使いこなしてなんぼという感じです。この部分に特に秀でてるバンドとしてNO USE FOR A NAMEや日本のNOBなどが挙げられるでしょうか。
 次は上記4つのなかで最も意味が解らないと思いますが回転系。ギターの音のアップダウンが細かく段階的に変化するタイプで、個人的なイメージとしとPENNYWISEや98MUTEなどを聴いてると感覚として壺をクルクルまわして作ってるみたいなイメージが勝手に沸くのでじゃあ勝手ついでに勝手なカテゴリ名を勝手に考えました。まあペニワイに"FULL CIRCLE"なんて名盤があるのも関連してイメージしてるんだけど。
 そして最後にザクザクギター系。これも言葉どおりそのままで、イントロとかでギターを細かく「ジャジャジャジャジャジャジャジャ」てやるやつです。うわあ、さっきから驚くほどセンスないそのままネーミングの極みだね、略してソネミ。

 以上、いま考えながら書きました。当方ストロークすると次第にピックの向きが変わるほどの素人なんで細かいテクニックがどうなんてさっぱりですが、素人リスナーとしてこんな感じかなあと考えて書き並べてみました。これですべてのバンドが分類できるなんて乱暴な言い方はしませんが、これでそれなりの分類ができると思います。まあ当然ながら全部は無理だな。NOFXとかたぶんどこにも入らないし。

 そしてこの中で最後に出したギターザクザク系ですが、これに特化しているという一定以上の知名度を有する(簡単に言えば有名な)バンドはいません。言うなればこれぞメロコア界の隙間産業なのです。




 そこでお奨めしたいのがこのOVER ITです。このザクザクギターを見事に使いこなしてメロコア界の隙間産業を制し、台頭していくのは彼らしかいねえ。このアルバムはそんな期待が一杯詰まったアルバムです。

 まあ正直ザクザクギターなんて全編でそればっか連発するわけにいかない、地味ちゃあ地味な技法ですけど。でもだからこそ、これでこっそり個性やインパクトを発揮するってのはなかなか上手い作戦です。と言うのも、うるさいロック業界の鉄の掟として「アジアなテイスト」「メタリックなギターリフ」「超早口」など解り易い特徴で注目を集めると、次のアルバムってのは非常に出しにくくなります。だってどんなサウンドを詰め込んだって「変わらなかった」「前作のよさがなくなった」のどっちかの批判が出てくるじゃん。これはもう儀式のようなもんですよね。
 その点、この地味な部分が良い感じなんて、次にどう出したって批判が出にくいですよ。そんな意味で「なかなか上手い作戦」なわけです。

 もちろん彼らの魅力はそれだけじゃないです。彼らのサウンドは全体にダイナミックで力強く。この力強さはドカドカバシャバシャと目立ちまくってるドラムに拠る所が大きいわけですし、一般的には彼らを「ドラムがかっこいいメロコアバンド」と呼ぶべきなんでしょう。アンタ、彼らのアルバムで「ザクザクギターが聴き所だ」なんて主張してるのきっと僕だけですから。残念。
 でも僕はあえてそれ以上に、彼らの特徴としてトラック2"WRONG WAY"、トラック5"NOTHING SERIOUS"、トラック11"CRUSH"等の曲で見せるこの地味なザクザクギターをプッシュしたいと思います。特に"CRUSH"はソロも相当なインパクトもある名曲ですよ。




 一つ細かいことを書きますと、このアルバムは"BIG MOUTH JAPAN"というレーベルからリリースされたボーナストラック付きの日本盤ですが、和訳などの歌詞カードはありません。そのかわり、通常の日本盤に比べて良心的な価格です。

オフィシャルサイト:http://www.punkrocks.net/_overit/index2.html
※"DISCOGRAPHY"のところで試聴できます。音もいいしフルで聴ける。かっこいいよ!




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