update2004.2.2

ライブレポ@SONICMANIA2004


 というわけで、関東に引っ越してから約10ヶ月、そして苦節10ヶ月(短けえなおい)。昨年の夏のサマソニ、フジロック、その他もろもろロックフェスを諸事情(主に仕事、その他仕事)で行けなかった僕としては今回のソニックマニアがロックフェス初参加というわけもありまして。じゃあ主に自分のための記念に田舎精神丸出し26歳によるレポをお届けします。

SONICMANIA2004
と き:1月31日(土)
ところ:千葉 幕張メッセ

■ ERSKIN
 このテキストでも触れたことですけど、ステージ上で誰が一番喋るか、または喋らないか、オーディエンスにどう接してくるか、などがけっこう興味あったのですが、会場入りが遅かったのと、グッズ販売がけっこう込んでたこともあって残念ながら見れなかったっす。「歌と踊りの融合」なんて紹介文もどこかで見ましたんで、何かやってくれるだろうみたいな期待もありつつだったのですが、今回はまるでモアイみたいな女とお見合いでもしたかの如く、ご縁がなかったということで。またの機会に期待しましょう。
 それにしても、この時間に彼らを配置した主催者側の思惑は見事ですよ。つまりは「あんまりお金に余裕がない高校生とかはどうせいつも朝は部活で早い。ほっといても朝は早く来るだろう。ところが大学生、またはもう少し歳行ったファン(まあ要するに僕のような年齢層ね)はきっと休日の朝はルーズだ。だけどスキャフルやらBDBなどのメンバーのサイドプロジェクトでも用意すれば、早い時間に来るんじゃねえか・・・?」という思惑。
 悔しいけどあななたちの思惑通りに僕は動きました。悲しいけどこれ戦争なのよね。

■ BALZAC
 ホネホネロック。ぉーおーおーぉー。なんかすごい好きな人が集まってきてたように思えるほど、人がいないなりに盛り上がったと思います。けっこうビッグネームだしね。ちなみにこれも上と同じ思惑があったと思います。BALZACとか好きな人はけっこう歳いってるでしょ。それもあってか、人数が少ないなりに濃いライブだったように思えます。「THE END OF CENTURY」とか演奏が始まった瞬間に会場の空気が震えたしね。ぉーおーおーぉー。


 一応、ここまでの2つはオープニングアクトということで、ここからが本番だそうです。

■ S.T.U.N
 「世の中に反逆する」という意味の略語で「スタン」と読むそうです。ヴォーカルの人はいろんなところから飛び降りたり、ステージ上でぴょんぴょん飛び跳ねたり、機械仕掛けのようにやたら小刻みに動いたりして面白い雰囲気を出してたのですが、それ以上に観客の視線(ていうか僕の視線ですね)はギターの人の鳥肌実をさらに過激にした髪型に釘付けだったと思います。もうそれしか印象にないね。こんな上司いたら嫌だなあ。
 曲的にはややホラーテイストがあるものでした。マリリンマンソンにポップパンクのテイストを強くしたような。いろいろな展開を見せるもが多く、その不思議なステージアクトも含め、魅せるものでした。
 もし今後、このS.T.U.Nを見る機会がある人は、動くヴォーカルと動かないギターの頭、この2点を目に焼き付けることだけはだけははずさないで欲しいと切に願うものです。

■ SKA SKA CLUB
 1年ほどの休止期間を経て活動再開。こんだけ英語圏のバンドが揃う中、日本人でありながら英語で歌うってのは度胸もしくは自信が相当いるなあと思いながら見てました。正確には、思いながら聴きながら見ながら踊りながらサンタモニカ。
 ライブ始まる前に司会(?)みたいなお兄さんの口から「スカスカファン」というとんでもない言葉を聞いたのが僕には衝撃的でした。お客さんいっぱいいるのに。

■ THRICE
 上記S.T.U.Nに対し、ステージアクトや曲の広がりの狭さから中だるみ感があったことは否めません。オーディエンスの反応などの客観的な要素から判断してもそうだったと思います。せっかくギタリストである哲平がアメリカ育ちとは言え日本語がしっかり話せる日本人だという強力な武器があったわけですし。哲平がいつ喋るかと期待してたんですけど、彼は喋ることよりもギター弾きながら一生懸命首を振ることが好きなタイプだったようです。無口で素敵な人と思ってデートに行くととんでもない光景を目の当たりにするからご婦人がたは注意されたし。キスでもしようもんなら大変だぜ。
 僕が一番好きな曲だという事もあると思うのですが、その中だるみした雰囲気のなかであっても「STARE AT THE SUN」は究極の一品でした。僕はこれをじっくり見れたことにけっこう満足です。
 ライブ後にステージ前から離れてご飯食べに屋台とか並んでるほうに出たら、偶然にも外人レポーターのカメラインタビューを受けました(たぶん後で編集してテレビなりビデオなりで使うんでしょう)。今のライブどうでしたか?とありがちな質問をされました。ロードオブメジャーのCMのように笑顔で「サイコーでした!」「僕らの青春です!」なんて言えばカメラ的に良かったものの、偉そうに「哲平にもっと喋ってほしかったですね」などとダメだしに近いセリフで答えました。明らかに意外そうな顔をされちまったよ。26になった冷めたロックファンなんてこんなもん。

■ INSOLENCE
 レゲエ&ロックのミクスチャーバンドですけど、最初に期待した以上に良いステージを見せてくれました。一番前のモッシュピットに居たわけではないですが、彼らが奏でるそのリズムが自然に心地よく。僕は今までヒップホップやレゲエはあまり興味ない領域だったのですが、意外に自分に合うかもと思い始めました。「OPERATION IRIE」とか音源に接するよりいいなあと本気で思いましたし。
 それにしてもあのジャマイカの旗を振ってるだけのメンバーは何だったんでしょうか。いくら彼らがレゲエやってるとは言え、カリフォルニアのバンドですよ。ジャマイカて。日本人がUKハードコアやるからってユニオンジャックの旗を振ってるだけのメンバーいたら(しかも楽器を持ってない)、ちょっとどうかなあ。
 まあスカルサイキックス(名古屋、すでに解散したとあるバンドの別バンド)の、ステージ上でジェイソンの格好してオノだけ持ってうろうろしてる人よりは意味があるかな。もっとも、このオノだけの人は居るだけで意味があるけどね。エンターテイメント的に。こんな無駄なメンバー抱えてるバンド他にいないよ、スリップノットを超えてる。
 話がそれてしまったんですけど、とにかくINSOLENCEはなかなか良かった、それも予想以上のものでした、ということです。

■ G.B.H
 最初に予定されていたsham69のヴォーカル・ジミー・パーシーが持病のヘルニアのためにドクターストップを受けたことにより出演キャンセル(かなりのドタキャン劇でした)、丁度来日中だったG.B.Hが代役として登場。最前列に居たんで、客席に乗りかかってきたコリンに触れてちょっと感激。なんだか、歴史に触っちゃった、て気分。
 ファーストアルバムの曲から最近の曲まで、万遍なく演ってくれたと思います(CD実はあまりないから確信ないですけど)。いろんな曲風が楽しめたのと、英語に対して「何言ってるかわかんねぇよ!」と返すパンクス(だと思う)の存在など、いろいろと楽しめました。へんな侍の格好したエキストラの外人とか。

■ quarashi
 なにか人気あるらしいですけど、僕にはよく解りませんでした。ちゃんと見てなかったし。その頃僕は、ランシド待ち行列の最前列にいて、警備の人の苦労をマジマジと見てました。
 ――― ソニマニはたくさんの無名なスタッフによって成り立っている ――― などという当たり前のことを考えるわけでもなく、僕もイベントスタッフのバイトをやってたんで、なんだか懐かしいなあとか思ってました(だからquarashiを聴いてない)。

■ THE ↑HIGH-LOWS↓
 その頃僕は。ランシドステージ前で待機してたので、ハイロウズを近くで見ることはできなかったのですが、とりあえず中央の巨大ディスプレイでその演奏およびステージでの振舞いを見てました。
 やっぱ日本の有名バンドだなあと実感できるほど、オーディエンスの反応はよく。遠く離れていた僕周辺でも拍手などが沸きあがりました。「青春」とか「ミサイルマン」は聴き慣れているぶん、また有名なぶん、良かったと思います。密かに「アメリカ魂」を演ってほしいなどと思ってましたが、やっぱり演りませんでした。そりゃねえ。ランシドのティムとかにマジ切れされたらこええぴょん。

■ RANCID
 モッシュピットが狭すぎたのと、ファンがどうにも「前に行こうとしている」「だけ」という印象があって、どうにも疲れるライブでした。コーラスやレスポンスが盛り上がってるわけでなく、観客がステージと関係なく前に行こうともがいてるようで。狭かったというのもあると思うのですが、「Time Bomb」でさえもスカダンス踊ってる人は少なかったんじゃないかな?とにかくなんだか大変な状況でして、本当に転ばないように気を使ってましたから。
 あとは「MAXWELL MURDER」のあのベースソロを生で拝めたというのも良かったです。
 それにしても、途中でDJヒカルが出てきて客を煽ったあとはまたすごかったです。僕はその頃には疲れ果ててもう後ろに行きたかったんですけど、それすら難しかったほど。後ろに行ったら行ったで前の方に押されて戻されるしさ。
 最後、ティムがステージから降りてきて、最前列の人と握手して回ってたのがすごく良かったと同時に悔しいです。上記G.B.Hのコリンの腕を掴んだことで喜べる僕なんで、今度はその反対、なんだか触り損ねた気分でした。正直、ティムと握手できた人が羨ましいです。

■ BRIAN SETZER & SLIM JIM PHANTOM OF THE STRAY CATS
  with guest of Mark Winchester

 名前が長いっつーの。

 僕は名前しか知らない人たちですけど(BRIAN SETZER ORCHESTRA ならシングルありますけど)、ランシドで疲れ果てつつしっかり見てました。けっこう後ろで見てたんですけど、いろんなところでお酒とか飲みながら踊ってるのを見ると(年配の方が多い)、なるほどカリスマだなあと思います。
 ところでスカとかでもそうなんですけど、踊って楽しむ系のロックって女性が多い気がします。とりあえずようやく歩けるくらいの子ども連れたお母さんが踊ってるとき、横でその子も踊ってるのを見ると、普通にいいなあとか思いました。まさかここでこういう親子関係見せてくれるとは思わなかったよ。
 ウッドベースの音って何気に心地よいですよね。ぱちぱちってのが。



 最後に1つ。海外アーティストの方が「トーキョー!」と叫ぶのはどのバンドも共通して定番だったのですが、観客は誰も言葉に発さないものの「千葉だよ!」ていうツッコミの雰囲気が立ち込めてました。そういうオーラを幕張メッセ。ゴミだってトーキョー流じゃなくチバ流で分別してたんだし。
 とにかく1万人を超えるみんなで無言のツッコミを入れている空気は何ていうか、すごいよ。普通に生活したたら絶対に味わえない連帯感だよ。連帯ツッコミ感。借金の保証人なんざ連帯責任じゃなくて連帯ツッコミでいいんじゃないかと思いました。「返せよ!」みたいな。




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