RUFIO / MCMLXXXXV(1985) (2004.7.28日本盤)
アメリカ・ロサンゼルスで結成された4人組哀愁系メロディックパンクバンド、RUFIO(ルフィオ)の2ndアルバム。本国アメリカでは昨年の5月にオフスプリングのデクスター主催のNITRO(ナイトロ)よりリリースされ、1年後に日本盤がリリース。
・アップテンポなリズム
・風邪でも引いてるかのような喉にかかったヴォーカル
・メタリックで大胆なギター
そしてそれらが合わさって物悲しいメロディを形作っているのがRUFIOのサウンドです。ただし、僕はそれらの要素がお世辞にも上手く噛み合ってるとは思いません、褒め言葉としてね。
「それらが合わさって物悲しいメロディを形作っている」という言葉と矛盾するようなことですけど、明らかにクラークさんのギターの音浮いてるやん。合わさってってのは、ただ単に音が重なってるだけであって噛み合ってないじゃん。ガストにやって来た3世帯ぐらいの家族連れ軍団の、冬ソナで盛り上がってキャーキャー言ってるおばちゃんの会話と何かよく解らんけどギャーギャーはしゃぐ子どもみたいに噛み合ってない、ただ音が重なってるだけ。ギターに限って言えば同じような要素を持つTHRICEとかSUM41とかとは明らかに異質ですよね。この浮きっぷりは。
でもその浮いてるギターリフがたまらなくカッコいいのがこのRUFIOです。代表曲である"ABOVE ME"(1stアルバムの曲)はイントロからやられました。
じゃあギターが主役のバンドかって言うと、そうでもありません。
メタルバンドの音ってさ、ベースの音がかなりしぼられますよね。もう一生懸命聴かないとベースが鳴ってるかどうかも解らないほど。何せメタルってギターが主役なものだし。
それに対しパンク系ってのはシド・ヴィシャス人気の後押しがあってベースが重要なポジションなわけです。そこでギターの音はディストーションで壊しまくって安っぽいアンプから出した音みたくなってて、その効果もあってベースが目立つ。ギターは要するにガストのハンバーグに添えてあるブロッコリーみたいな立場になっていくものじゃん。
ところがRUFIOのブロッコリーと言ったら。目立ちすぎなんですよね。ハンバーグよりでけえ!みたいな。
それでいて、ベースも負けてません。ナイトロというレーベルももちろん一因ですが、彼らが「メタルバンド」という括りでなく(ポップ)パンクバンドとして扱われるのは、そのベースが負けてないところが大きいと思います。こっちはハンバーグで言うところのハンバーグですよ。
ただし「音の面では噛み合わない二つ」がメロディ面では面白く絡むので(トラック10"PIRATE"とかかなり聴かせるメロディだよ)、むしろ噛み合わない音であることがむしろ良い方向に進んでます。聴き応えのある大胆なサウンドですよ。
映画で「二大個性派俳優、夢の共演!」みたいなのが好きな方に是非オススメしたいです。飛石連休とモジモジハンターのボケとツッコミを入れ替えた(無茶な)漫才を見たい方にもオススメです。て、我ながらなんちゅー喩えだ。
ヴォーカルはガストのハンバーグで言うと何かって?適当に書いたことの重箱の隅を突付かれたって答えられません。好きな曲はトラック3"SCIENCE FICTION"とトラック10"PIRATE"とか。
あと途中でTHRICEをパンツの如くちらっ引き合いに出したけど、THRICEのギタリスト・テラニシテッペイがアメリカ育ちの日本人ですけど実はRUFIOのギタリスト・クラークも両親は日本人で日本名をドウマエシゲヒロさんと仰るそうです。でも本人はこの名前で呼ばれるのを嫌うそうです。そりゃちょっと申し訳ないけど頑固なおっさんみたいな名前だからねえ。
オフィシャルサイト:http://rufio.positived.com/movie.html
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