update2004.4.27

SCOREFOR / just another version of truth  (日本盤2004.1.21)

 ドイツ出身の4人組パンクバンド。自分たちでは自分たちを指して「スケート・パンク・バンド」と称しているそうな。



 あえて微妙な表現を用いると。全15曲を最初から最後までしっかり聴くと、なんかいいアルバムだった気がします。これがSCOREFORの勝利だとしたら、実は際どい勝利でした。

 良かった曲を挙げると、「1. what can you say」「9. stop me」「13. great job」「14. never ending story」「15. moonlight Shadow」。アルバムの後半、と言うよりもう最後に集中してます。
 「1. what can you say」はパンク系バンドのアルバムよくある、疾走感ある正統派でインパクト重視のメロディックな曲。「9. stop me」はがっしりと存在するドラムがいい味だしているし、また日本盤でなければ最後の曲になる「13. great job」もアルバムの締めにアクセントを充分に与えることのできる「やや雰囲気を変えた曲」です。
 そして実は日本盤のボーナストラックである残り2曲。「14. never ending story」はお馴染みの同名映画のテーマソングのカバーで、カバー独特のテイストを味わうことができ、そして「15. moonlight Shadow」は前述の「9. stop me」「13. great job」を足して薄めずという完成度で、ボーナストラックとは言えアルバムの最後としてはすごく良かった。

 つまり、正直言って中盤はイマイチな曲が続いてしまい中だるみしたものの、最後の方で良い曲が続いたので「ああ、良かったんじゃないかなあ」とか思えてしまうわけです。



 まさに「アルバムを聴き終える直前」という、ゴール前でのディフェンスがすごかった。それはまるで、2002年ワールドカップのドイツ代表のサッカーを見ているようでした。聴いている、という方が正確か。アルバム最後の曲の充実ぶりはまさにゴール前でのゴールーキーパー、オリバー・カーンの大活躍ぶり。

 しかし、ドイツ代表が惜しくもワールドカップで優勝できなかったのは、攻撃力の不足という点によってでした。

 ゴール前と言うべきアルバムの最後に良い曲を並べても、最初の方の曲だけ聴かれる試聴コーナーで得点を奪えない。それは言うなればフォワードのキックが足りないという事態であり。このアルバム、試聴コーナーに置いてあるのをしばしば見かけたのですが、試聴して良かったから買った人は少ないんじゃないでしょうか。非常に惜しい感が拭えないです。

 スケーター・パンク・ロックじゃなくて。ドイツ流のサッカー・パンク・ロック。




back menu  site top





アクセス解析 SEO/SEO対策