update2004.9.20

SOCIAL DISTORTION / WHITE LIGHT WHITE HEAT WHITE TRASH  (1996.10.2日本盤)

 78年にアメリカ・ロサンゼルスのオレンジカウンティにて結成されたパンクバンド。1985年にフロントマンであるマイク・ネス(ヴォーカル)が薬物中毒になって入院、回復などの経緯があったために少し遅れて90年にメジャーデビュー。今回紹介するのは96年発表のメジャー3rdアルバム。
 ちなみに今月末には新作リリースも控えてます。なおこの新作の完成後にベースがバンドを脱退、その後の活動ではRANCIDのマットがヘルプとして入ってるようです(公式サイトより)。



 僕とSOCIAL DISTORTIONの出会いは、かなり特殊です。このサイトではこんな具合にリクエストを募集していて、まあ「これについて何か書いてみて!」みたいなことをリクエストされるってことはそのバンドは相当なお気に入りかつその方のオススメなんだろうなって解釈してます。そうやってオススメを教えてもらうのもありかな、と個人的に思って当サイトではこのリクエスト受付をやっているわけです。
 そして掲示板で名前欄を「??」にした方にこのSOCIAL DISTORTIONについて教えて頂き、かつその書き込みが「是非感想を聞いてみたいです」と締められていたので「これは何か書けっていうリクエストとして解釈していいんじゃね?」な勢いでこの文章を書いているわけです。
 いやあ、かなりツボに来ましたよ。WEBサイトやってて本当に良かった。SOCIAL DISTORTION、名前だけはなんとか知ってるバンドだったんですけど、今回は彼らのロックに触れる本当に良いきっかけになりました。そんなわけで既にこの3rdのみならずメジャー1stの"SOCIAL DISTORTION"、2ndの"Somewhere Between Heaven And Hell "も買って聴いてます。今月末の新譜"Sex Love & Rock N Roll"も当然買いますよ。

 重厚で、濃厚で、単調で、大胆。彼らのサウンドを文字で表現すればきっとこうなると思います。そして渋くまとめる。元々僕がパンク中心のうるさいロックに傾倒していったのはロンドンパンクが原点ですからね。あの単調で古臭くて渋いの大好きだし、そのテイストをしっかり保ったままかつ「L.A.パンク」として調理された彼らのサウンドは僕にはとてつもなくツボだったわけです。そりゃオフスプリングのデクスターもやられるよ。



 それじゃSOCIAL DISTORTIONの3rd"WHITE LIGHT WHITE HEAT WHITE TRASH"の中身を見て行きましょう。

 アメリカのパンクロックというのは、地域性というのがけっこう大きい。ニューヨークやボストンといった東海岸はハードコアが多く、エピタフが幅を利かせるカリフォルニア(西海岸)はメロディックパンクが目立ち、フロリダはメタル系との交流が盛ん、という具合です。
 そんななか、西海岸にありつつもロサンゼルスのバンドは、特にL.A.パンクと括られます。L.A.パンクとして有名どころとしてはデッドケネディーズやブラックフラッグ、最近ではNOFX、あとまだまだ僕が踏み込んでいない深い所では最近DOLLSで特集を組まれたジャームス(GERMS)などでしょうか。
 僕はL.A.パンクというのもは音楽的特徴より政治的なメッセージ性が強いと解釈しています。デッケネはアメリカでは珍しくグローバルな視点で政治的メッセージを歌ったパンクバンドであり、NOFXのファット・マイク(通称:怖いデブ)は"ROCK AGAINST BUSH"など政治的主張が濃いキャンペーンを展開している。じゃあSOCIAL DISTORTIONはどうか。

 アルバムタイトル"WHITE LIGHT WHITE HEAT WHITE TRASH"、これはかなり刺激的なアルバムタイトルですよ。それぞれの単語の意味なんですが、「WHITE LIGHT」は「公正な判断」、「WHITE HEAT」は「熱狂」、そして「WHITE TRASH」はアメリカ南部で貧困な白人(達)を指す言葉です。詳しくは解らないのですがいわゆるスラングの一種かもしれません。
 歌詞の内容は、この「貧困層」について歌うことが多いです。SOCIAL DISTORTION、「社会のひずみ」というバンド名らしく、社会的なメッセージが多い。トラック11の"DOWN HERE"(良い曲だよ!)ではその貧困層の暮らしの苦しみを「俺と同じなんだ」という言葉で表しています。そしてただ「こんなに可愛そうな人がいるんだ」ということに終始するわけでなく、トラック3"UNTITLED"(良い曲だよ!)ではこう歌ってます。歌詞より引用(訳は日本盤対訳より)。

 Kings & Queens & millionaires, May never know what I had known
 And thank the stars I'm the lucky one,
 Thanx for the lessons that I've been shown.
 王や王女や億万長者には、オレが経験したことは理解できない
 星に感謝しよう、俺はラッキーな奴
 様々な人生経験に感謝しなきゃ

 それでいて、おそらくフロントマンのマイク・ネス(ヴォーカル)のパーソナルな部分を語ることも多い。
 このマイク・ネスさんなんですけど、麻薬で刑務所入った時期とかあるんですよね。このSOCIAL DISTORTIONはそれを乗り越えてメジャーデビューしたバンドで、トラック7"WHEN THE ANGELS SING"(まあまあ良い曲だよ!)では「JUNKIE」( 麻薬常習者)なんて単語が出てきます。ここでは「麻薬常習者が愛を叫んでも 愛はもうない」なんて歌詞でして、これはトラック1"DEAR LOVER"(良い曲だよ!)と通じるものがあります。
 僕がネットで調べた範囲ではこのメッセージのバックにマイク・ネスさんのどんな体験があるか調べられなかったのですが、まあ何かあるんじゃないかな、とか思ってみたり。



 とまあ、だいたいこんな感じで。決してアップテンポでノリノリという訳ではないんですけど、僕はこの重厚な雰囲気はかなりツボだったわけです。好きな曲はトラック5"THROUGH THESE EYES"(良い曲だよ!)とトラック8"GOTTA KNOW THE RULES"(良い曲だよ!)とトラック10"PLEASURE SEEKER"(良い曲だよ!)あたりです。

 どれもこれも良い曲だよ!

公式サイト:http://www.socialdistortion.com/




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