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大人の嘘を暴くんだ!
STANCE PUNKS / STANCE PUNKS  (2002.8.21)

   1.すべての若きクソ野郎
 2.夢追狂の詩
 3.手紙 〜放浪遊戯〜
 4.クソッタレ解放区 〜クソッタレ2〜
 5.失われた世界
 6.少年爆発
 7.八月の嘘
 8.ロクデナシの空に
 9.戦風の中に立つ
10.真夜中少年突撃団
11.火の玉宣言



 4人組のパンクバンド。「俺の彼女、後藤真希に似てるんだぜー」という感じで似ている有名なバンドを上げれば、ブルーハーツ。ただし、僕はブルハはそんなに詳しくないから、「なんか声と歌詞と雰囲気が似てる」以外に、的確に伝えられる言葉を持っていません。この無責任ぶりが個人サイトの特権。

 曲のタイトルをご覧頂きたい。もう笑ってしまうくらいかっこ悪い。クソッタレ、て。子供かよ。それは曲名だけでなく、歌詞にも随所にそんなキーワードがちりばめられて。なにさ、このかっこ悪さ。
>従い続けるだけならば この世に生きてる甲斐がねぇんだよ
 じゃあ就職できねえぞ、と。そんな感じ。若くて、青くて。青臭くて。

 誰もが通ってきたくせに、一人で思い出して気恥ずかしくなる、青春時代。中学のとき、「数学の勉強なんかしたってどうせ役に立たないじゃん」という屁理屈をこねたアナタも今や大人。子供ができたら「そんなこと社会では通用しないんだぞ!」とか言い出す大人になりました。アナタも実生活で数学なんか使ってないけど「社会では通用しない」という論理のすり替えで子供を説得(もしくは脅迫)。汚い大人は子供を騙します。嘘を用いて。時間は何気ないそぶりで、アナタを大人に変えました。
 そんな自分の(子供に対する、もしくは自分に対する)嘘に気付いたとき。汚さに気付いたとき。認めたくなくて、何かに責任転嫁したくなる。そこで自分の嘘を「ああ青春時代は青かったなあ。かっこ悪い失恋もしたなあ。ああかっこ悪い。」と自分の青春を否定することで体裁を保つアナタ。

 いい歳になると、大人と子供の両方の立場が見えてくるはずです。でも子供の主張(青春時代に自分もした主張)を否定する。「そんなことでは社会では通用しない」。同時に自分の青春も否定して体裁を保つ。「俺も昔は青かった」。

 そういう否定をすることなく全てを飲み込んで、青春時代の主張を「パンクロック」という音楽ジャンルを用いてストレートに叫ぶバンド。それがこの「STANCE PUNKS」じゃないでしょうか。

 世の中の大人は、本当は自分の嘘に本当は気付いているはずです。子供時代を、青春時代を持たない大人はいないし、言い換えれば大人の構成要素に必ず青春時代はあるはずです。記憶にあるはずです。若い自分なんて、会いたくなったらいつでも会えるはずです。
 それでも彼に会おうともせず、大人は嘘をつき続ける。それぞれ、子供や若い世代に対し、それぞれ自分に都合のいい嘘をつく。身に覚えがないと言い切れる人が一体どれだけいるでしょうか。
>いつか僕らが大人になっても 決して忘れやしないから
 子供から大人を経た人たちが、再び子供の立ち位置に戻って大人の嘘をあばく。そこがかっこよく、俺のような大人になりきれない若造には心地よくて仕方ありません。

 世の中、全ての人間がこれでは困ることでしょう。「パパ、数学なんか実生活で使わないよね!」「そうだ、だから勉強なんかしなくていいぞ!」。全ての大人がこれではまずい。だからこそ一部の大人が、子供の立ち位置で叫ぶ大人が居てくれれば、案外世の中バランスがとれていいとも思えます。嘘をつく大勢の大人の代表、もしくは身代わり。
 そう。身代わり。

>皆殺しにされてたまるか

 
保護すべきです。トキのように。指定特別保護バンド第1号。でもお茶の間の時間にはテレビにでない。


公式サイト




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