STAND UP / ちっぽけな勇気と・・・。 (2003.2.26)
埼玉県・熊谷(くまがや)出身の4人組バンド。今回取り上げるのはそんな彼らの2ndアルバムにして、初のメジャーレーベルからのリリース音源となるアルバム「ちっぽけな勇気と・・・。」です。
僕の知る限りでは、彼らほどもっとも「青春パンク」という言葉が似合うバンドはありません。
1stアルバムは背景に流れるパンクサウンドを完全にぶち壊し、青春色に再構築する独自のヴォーカルとヘタクソコーラスという印象だったんですけど、2ndである今作は背景に流れるサウンドまでかわいらしいメロディを取り込んで、さらに叩き込まれる独自のヴォーカルとやっぱりヘタクソコーラス。それによって彼らの個性が完成したと思います。たまんないっすよ。
そんな真正青春おパンク集団がメジャーレーベルと契約し、このアルバムをリリースしたのは結構な事件だと思います。
以前にもサイト内で触れたことなんですけど、青春パンクというものはバンド側が生んだものでなく、比較的若年層の聴き手が作り上げたムーブメントだったと思います。その若年層が作り上げたものがメジャーレーベルと契約し、世の中に大きく出て行く。いくら流通が発達してインディーズとメジャーの境界がなくなったとは言え、音楽シーンにおいて若年層の力が大きいことを意味します。
同じ音楽シーンの話でも、これはミニモニがお子様支持を得るのとはまったく別もので。テレビに大きく出る存在がお子様支持を得るのはポンキッキの「泳げタイヤキ君」で十分に実証済みのことでした。それに対し、インディーズ/ライブシーンなんてもともとはアンダーグランドな存在。本来は中学生などは知らないはずのものだったと認識してたんですけど、彼らのメジャーデビューはもうそんな認識は通用しないことを実証したのかもしれません。時代が変わったことを象徴する事件だと思います。
若年層はマーケットとして無視できない存在となる。「ボーボボボーボ」のアニメ化ぐらい、衝撃の事件です。
好きな曲は「1. 小さな空」「5. 明日のために」「7. ROBO」あたり。けど彼らの名曲はやっぱり1stアルバムの「ドーベルマン」。体験談?とんでもない。あおーん。
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