真のパンクバンド
頭脳警察/頭脳警察T (1972当時発禁2001再販)
1.世界革命戦争宣言
2.赤軍兵士の詩
3.銃をとれ(Part1)
4.さようなら世界夫人よ
5.暗闇の人生
6.彼女は革命家
7.戦争しか知らない子供たち
8.お前が望むなら
9.言い訳なんか要らねえよ
10.銃をとれ(Part2)
セックスピストルズがイギリスで登場(1977)するより以前。日本に反社会的で強烈なメッセージを持つロックバンドが存在しました。それが1969年に結成された、頭脳警察です。
メディアやレコード屋に「パンク」というカテゴリがない時代ですが、彼らの活動の軌跡はパンクと呼ぶに相応しい、好き勝手でかつ過激なものでした。
「革命」「戦争」などの反体制的なキーワードを散りばめた過激な歌詞、それをライブで客を煽動するかのように歌う。3億円事件容疑者のモンタージュ写真を使ったアルバム。そして発禁処分。ボーカルのパンタはステージ上で突如服を脱いでオナニーを始め、射精までしたことがある。
上記の曲名リストを見れば解るとおり、このバンドは明らかに赤軍シンパです。当時の状況、例えば「赤軍派」「あさま山荘事件」などが社会的にどうだったか、などを俺は肌で感じて理解しているものではないのですが、このバンドが社会に与えた影響は大きいのではないでしょうか。実際、当時起こったバリケード事件で、ヘルメットに「頭脳警察」と書いていた学生がいたそうです。
総じて、彼らこそ「真のパンクバンド」ではないでしょうか。もちろん、結果論ですが。
ところがネットで見つけた、ボーカルのパンタの語録を見ると、彼は必ずしも命掛けの赤軍シンパではないような気がします。過激な歌詞の数々は音楽表現の手法というか、テーマとして、これを前面に出していただけのように思えます。パフォーマンスというか。
ハードロックの登場以降、電子音のサウンドがロックの主流たる今日では、このアルバムの楽曲はシンプル極まりない音に感じます。しかしそう感じてしまうのは、僕の耳がまだ未熟だということでしょうか。
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