貞子とサマラ
* 日本版リングおよびハリウッド版リングを見ていないと楽しめないと思います。あと、弱冠ながらネタバレあり。これから映画を見ようと予定の方は映画鑑賞後にお楽しみください。
がちゃ。
貞子 「 ただいまー。」
サマラ 「 おかえり姉さん、早かったわね。」
貞子 「 うーん、今日がビデオ見てから7日目の男、超ブサイクでさー。もう触るのも嫌だったから、とっとと終わらせて帰って来たのよ。」
サマラ 「 あー、それ先週 『マジきもいのがビデオ見やがった』 って言ってたやつじゃないー?」
貞子 「 そうそうそれよ!今日本当に一日鬱だったわー!」
サマラ 「 ふんふん。」
貞子 「 現場の入り時間にはバス遅れるし!」
サマラ 「 散々よねー。あ、そこのクッキー食べていいよ。」
貞子 「 あ。ありがと。・・・(ぽりぽり)そういうあんた、今日のコンパどうだったのよ?」
サマラ 「 うーん、まあ粒ぞろい。あ、でもね!1人ね、ずばぬけて良かったのよ!」
貞子 「 ふーん(ぽりぽり)。」
サマラ 「 彼、ヒロトくんって言うの!かっこよくてさー!背も高くて!携番ゲットして、来週遊びに行く約束したんだー!」
貞子 「 ふーん(ぽりぽり)。あ、ダウンタウンDXってまだやってたんだ(ぽりぽり)。」
サマラ 「 ちょっとー、聞いてるの姉さん!?」
貞子 「 聞いてるわよー。で、そのヒロトくんがどうしたのー?」
サマラ 「 うーんとね、そのヒロトくんがね、『サマラは短いほうが似合うよ』って言ってくれたの。」
貞子 「 短いって・・・髪の話?」
サマラ 「 うん。」
貞子 「 だめよ、切っちゃ。そこのビール取って。」
サマラ 「 えー!!なんでー!!」
貞子 「 ラストシーンで目だけ出せないでしょ?あたしたち、あれが受けてるんだから。(ぐびぐび)ぷはー!!仕事の後の1杯はいいわぁ!」
サマラ 「 えええー!!次にヒロトくんに会うまでに切りたかったのにー!!」
貞子 「 大体あんたねえ、来週の自分の予定くらい確認しなさいよ。」
サマラ 「 え?何?」
貞子 「 (ぐびぐび)そこのカレンダーをよくご覧。」
サマラ 「 ・・・あーーー!!来週予定いっぱいあるじゃん!うわー休みない!マジない!多い日なんか5件もあるじゃーん!何で皆、こんなにビデオ見てるのよーもーう!!」
貞子 「 残念ね、来週は美容院はおろか、ヒロトくんにも会えそうにないわね。」
サマラ 「 うーそーーー!!いやーーーこんなのーーー!」
貞子 「 お気の(ぽりぽり)毒に(ぐびぐび)。」
サマラ 「 だいたい、姉さんが悪いのよ!」
貞子 「 何が?」
サマラ 「 1週間以内にコピーして、誰かに見せれば助かるなんて変なルール決めちゃってさ!おかげでどんどん忙しくなるじゃない!」
貞子 「 あんたもそれでいいって言ったじゃない。面白そうって。」
サマラ 「 だけど、だけど、こんなに忙しくなるなんて聞いてないよー!」
貞子 「 それは認識が甘いのよ。あたしみたいに仕事に生きるって決めなさいよ、あんたも。」
サマラ 「 嫌よ!私は姉さんと違って、ちゃんと女の幸せが欲しいの!」
貞子 「 あきらめなさいって。」
サマラ 「 あーもう。どこか1件だけでも、1日ずらせないかなあ。」
貞子 「 それじゃあ8日後になっちゃうでしょ?」
サマラ 「 ううん、前にずらす。」
貞子 「 命が短くなるじゃない。」
サマラ 「 いいの。私とヒロトくんの明るい未来のためよ。・・・うーん、決めた!来週の木曜ぶん、全部水曜にしちゃお。そうと決まれば、さっそくヒロトくんに電話よ!」
貞子 「 若いっていいわねえ・・・」
サマラ 「 あ!ヒロトくーん!うん、私!サマラ!さっきは楽しかったよね!
・・・来週遊べる日?
うん!私もそれで電話したの!私さ、木曜が丁度暇なんだけど、いいかなあ?
・・・え、水曜?
・・・うーん、ちょっと待ってね・・・」
サマラ 「 (姉さん!!)」
貞子 「 何?」
サマラ 「 (彼、水曜が空いてるって言うの!)」
貞子 「 で?」
サマラ 「 (で、お願いなんだけど、水曜を空けたいから、水曜の2件だけ、代わってくれない!?)」
貞子 「 ちょっと!無茶を言わないの!!」
サマラ 「 え?・・・あ、関係ない、こっちの話ー、えへへー。
(大きい声出さないでよ!変な家と思われるでしょ!?)」
貞子 「 何よ、今さら。」
サマラ 「 (・・・お願い!!)」
貞子 「 仕方ないわね、分かったわよ。」
サマラ 「 (ありがと、姉さん!)
あ、ごめんねー!水曜、おっけーだよ!
で、何しよっかー!
え?変わったビデオ?・・・見るの?一緒に?
・・・うん・・・うん。
・・・・・・・・。
あのおー、つかぬ事をお伺いしますが・・・そのビデオ、どんなの?
鏡に女性?・・・井戸?・・・に、日本人!?
あ、あははは・・・いや、ごめん、ううん、何でもないよ。
ま、また、後で電話するねー。
うん、うん・・・ばいばい。」
・・・ぴ。
サマラ 「 ちょっとーーー!!姉さんーーー!お願いぃぃぃぃ!」
貞子 「 もう!!今度は何よ!!・・・うわ、あんたの泣き顔、こわ!!」
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