update2004.2.5
and 2004.2.8

浜崎あゆみ / Memorial address (2003.12.17)


イントロダクション

 日本を代表する歌姫であり、ファッションリーダー。その浜崎あゆみの6枚目のアルバムにして曲数のボリュームはあゆ比70%とダイエットに成功(少なくなったことを少しでも気分よく表現)、さらに全曲に著名(らしい、僕はそれに関してはよく解りません)監督を迎えたプロモーションビデオDVD付き、この豪華な内容で値段はいつもより10%、たった10%高いだけ!どうせ聴いても解らな海外アーティストの輸入盤の約2倍のお値段でこれが楽しめるならお買い得ってもんですぜ!(注:榎本は現在、DVDプレーヤーを持ってません)。



 今回の音楽テキストは2回に分けて更新しました。
 イントロダクションおよび 1 はupdate2004.2.5、2 はupdate2004.2.8。



DVDによる映像を見る前に/表に出ている映像効果を語る

 一見大胆なことをやっているかに見える今回のCD+DVDリリース。ですけどこれは極めて合理的なことでして、非常に単純な物理的理由でCDとDVDは相性がいいんです。

 形似てるじゃん。CDとDVD。

 従来のCDケースをちょっと厚くすれば、それこそ2枚組みCDのケースを使えばCD+DVDという「音+映像」の合わせ技ができる。
 これは商業的音楽の新しい形となるんじゃないでしょうか。正確に言うと「今までにも音楽ビデオや音楽DVDはあったけど、CDにくっつけることによって親近感を出し売れ行きを伸ばそう」という、新しい形みたいな形。もしくは、新しいみたいな形な形。
 つまりは新しいのは売り方の方法でなく、消費者へのアプローチの方法だったんじゃないでしょうか。音楽DVDではなくCD+DVDという親近感を持たすアプローチ方法。言い寄ってくる男が変わったのでなく。男の言い寄り方が変わった。

 じゃあなぜ消費者(リスナー)へのアプローチ方法を変えたのか。

 浜崎あゆみは今まで「歌詞が良い」と言われてたじゃないですか。あれってある意味、真理を突いていると思います。真理ですけど、皮肉なことにそれは「楽曲は他の人と同じ」ということの裏返しの結果なんですよね。
 今回、作曲には同じavexのDo As Infinityが2曲関わってますし、さらにBOUNCEBACKというユニットが5曲も作曲を担当しているのですが、この人たちは他にもこんなに作曲してます。そりゃ楽曲面でBoAと差別化できないから、消去法が叩き出す結果で歌詞が良いって話になるよ。
 しかし浜崎あゆみを筆頭にするavexが、浜崎あゆみを筆頭に売れ行き不振を起こしている。従来の「歌詞が良い」で音楽を売ることに限界が来た(さらに歌詞はパクりだなんだ言う人もいるけど、これは後述する)。ここで必要なのは浜崎だけの武器、言い換えれば他アーティストたちとの差別化を図る武器。そこので他との差別化として、「映像」という武器を選んだのでは、と。

 この作戦にもっとも適していたのがCMやバラエティなどでもお馴染みの浜崎あゆみ。そんなキャリアもあって映像的にも強いじゃん。知名度もあるから新しいみたいな形な形の作戦でも大きな失敗はないだろうし。さらに言えばルックスはBoAに勝てる。これに関しては僕の中では浜崎が圧勝ですよ。BoAのニューアルバム「LOVE&HONESTY」のジャケット見た?あれ「無表情な薄ら笑い」にしか見えないもんね。全曲PVとかみ終わったら、見たこっちがあんな顔になりそうだ。

 こういう背景もあって映像付きCDという、DVD+CDリリースだったんだと思います。さらにコピーコントロールCD。全部略号で表記するとDVD+CD(CCCD)。視力検査かなんかかよ。



DVDによる映像を見た後に/裏に隠された文字効果を語る

 DVDプレーヤー買ったので早速PVを見たのですが、それで謎が解けるかと思っていて解けないものがありました。歌詞カードの写真にある、鏡に何気なく書かれた数字「0630」です。

 この数字が非常に気になった僕は浜崎あゆみファンサイトの掲示板などを転々として、この数字が何を意味しているのかを探しました。そして見つけたのが、この「0630」という数字は6月30日を表し、それは浜崎あゆみの父親が家族を捨て失踪した日付だという話です。これは、けっこう信憑性が高いように思えます。

 そうすると。アルバムタイトルを冠した曲「8. Memorial Address」の歌詞の始まりはただでさえ悲しい思い出を語っているような具体的な情景を描いているのですが、さらに
>あれは忘れもしない夏の始まりの日で
なんて見事に6月30日を連想させる歌詞が登場します。
 また、雑誌のインタビューか何かで「Memorail Address」「とTeddy Bear」は関係が深い、と答えていたそうですが(ファンサイト掲示板より)、「Teddy Bear」で出てくる「あなた」は父親だということを浜崎ファンの人に聞いたことがあります。つまり、6月30日という日付は父親に関係あると。
 さらに言えば別のアルバムですが「RAINBOW」には「July 1st」(「7月1日」、モロだな)なんて曲があって、そこの歌詞の
>昨日流した涙の痛みを
というフレーズもこれらの事象に繋がっていきます。

 これだけ集まると、見事にパズルが完成する。

 (以上の予想が当たっていると仮定すれば)「父親の失踪」は浜崎あゆみにとって重要なテーマではないでしょうか。

 じゃあそれに関してプロモーションビデオの中でテーマとして描かれているかといえば、そうでもない。少なくとも、僕がPVを見た限りには「自分を裏切った父親」「捨てられた孤独」などを描いた部分があるようには感じませんでした。
 「3. Because Of You」のPVの展開は男を中心としたものですが、決して父性は強調さらたものでなく。これだけで「アルバムテーマの0630をPVで表している」と言い切ってしまうのは乱暴な気がします(それにしても何人でギターを弾いてるんだよ)。
 歌詞カードのなかで唐突に現れる「0630」という数字。これはDVDに収録されたPVとなったく関連がないことになります。奇妙な二重構造。

 今回のアルバムの目玉は確かにDVDです。でも浜崎あゆみが(あえて僕はこの言葉を使いたい)それに反抗し歌詞カードの写真に入れた「0630」という隠しメッセージ。これは歌詞と歌詞をつなげるキーワードであり、浜崎あゆみ自身の重要なテーマに結びつくと予想します。どれほど著名であろうと、他人である監督が撮影したPVに出てこない、表現しきれない部分があることを浜崎あゆみが伝えたかったように思えます。

 商業的な戦略で付けられたDVD。浜崎あゆみにとってこのDVDは必要だったのでしょうか。



 プロモーションを見ながら、僕は網タイツのあゆその他網タイツのエキストラに夢中でした。男は可愛いアイドルの曲なんぞ下半身で聴くんだよ。DVDが付いたことで僕が浜崎あゆみを深く理解できるかと言えば、きっとそうではないんでしょう。

 商業的な戦略で付けられたDVD。浜崎あゆみにとってこのDVDは必要だったのでしょうか。




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