update2004.6.7

BAD RELIGION / THE EMPIRE STRIKES FIRST  (日本盤2004.6.2)

 1980年代の初期に「ハードコアパンク」というポップさを失ったパンクロックへのカウンターパンチとして、パンクロックに極上のメロディを与え「メロコア」「メロディックパンク」の元祖となった、大御所パンクバンド、バッドレリジョン。エピタフレーベルの社長さんであるブレット・ガーヴィッツもバンドマンとしてはこのバンドのギタリスト(実は3年くらい前に復帰)だったりする。文字通り凄腕じゃん、マジすっげー。なんと今作で13枚目のアルバムリリース。



 そこかしこで馬鹿の一つ覚えみたいに「哀愁漂うメロディ」なんて言われてて、そんな同じフレーズ使うと自分まで馬鹿の仲間みたいで悔しくて悔しくて仕方ないけど、この言葉以外に本当に見つからない。最初にこうやって彼らを文字で表現したやつは超馬鹿か超天才のどっちかだよ、畜生。自分がどっちにもなれないのが悔しい。

 けど僕は僕で、人とはちょっと違う哀愁ポイントを発見したから、それについて触れておこうと思います。
 彼らが初期の頃に背負っていた哀愁と、いま現在発している哀愁は明らかに異質なんですよね。と言っても、音楽性に関することでなく、すごくパーソナリティな部分で。メロコア、メロディックパンクの基礎である名作「SUFFER」のリリースから19年、結成から24年経ったベテランおじさんパンクバンドが持つ哀愁とは。

 そりゃヴォーカル・グレッグの頭髪の生え際の後退だろう。

 もちろん若い頃からべジータを意識してるとしか思えないデコレーションデコだったけど、現在の彼の生え際についてそれはそれで哀愁だと思う次第であります、I issue。



 その哀愁溢れる毛髪後退が実はこのアルバムに如実に現れてます。

 いわゆるバッドレリジョン節、哀愁溢れるメロディの曲はアルバムの最初のトラックから7くらいまで一気に続いて、そこからは妙に元気がある曲だったり重い音の曲であったりで、ああ哀愁漂うなあていうテイストがなくなってくる。
 言い換えると。アルバムを最初から最後までしっかり聴くと、切なくなるメロディックパンクからまるでしっかり毛が生えているような元気印へのポップパンク的メロディックパンクへとシフトするイメージ。

 ・・・ほら!これってまるっきりグレッグの頭を前から追跡した見たいジャン!後退した生え際ゾーンを抜けると(抜ける?)、現役バリバリ毛乳頭ゾーンへ突入。憂いのギターから「毛があるから散発しなくちゃ」を合言葉にカッティングギターへ(カッティングしてないけど)。フロントマンてそういう意味かよ!

 こうなると「6. LOS ANGELS IS BURNING」(邦題:前髪が燃えている)も(僕だけが)頷けるタイトルになるわけです。素晴らしいじゃない。
 そう、今燃えているのはロンドンでもロサンゼルスでもなく、グレッグの前髪なのだ。かとうれいこに今すぐロンドンコーリング。手遅れになるとデッド毛ネディ。

 などと、自分流な勝手な解釈で曲展開を楽しむてのもアルバムの醍醐味だよね。グレッグの髪の毛が全体的に大変なことになったら、もう全編通して超かっこいい哀愁メロディックパンクをかましてくれるんじゃね?そりゃ期待しないとね、何を期待するかはさて置き。実現するのはアルバムが25枚目くらいでしょうか。パンクロックやめられなーい。



 以上、「哀愁漂うメロディ」という使い古されたフレーズを皆が揃って使うことおよび使っただけで感想を吐く事が終わってしまうことにうんざりしたサラリーマンが「パンクが好きなら自分の言葉で語れや」の意気込みを込めた今作の曲順解釈でした。
 それでも自分パンクスじゃないっすよ。勝手にしやがれ。




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