update2003.10.29

DISCHARGE / WHY (1981)


 イギリスのハードコアパンクバンド。パワー溢れる荒々しいサウンドに、「反戦」をテーマにした歌詞をボーカルのキャルが悲痛な叫びで歌うのが非常にインパクトあり。その声はまさに戦場で人が次々と死んでいく光景を嘆くような、悲痛な叫び。そしてその演奏はまさに銃弾飛び交う戦場を連想させる、無機的な射撃。この2大柱がディスチャージの根本にあると思います。

 というわけで。現在の日本憲法の第9条はハードコアパンク。平和憲法すなわちディスチャージ。
 反戦デモとかする人は全員ディスチャージを聴いてる人です。断言しましょう。
 夏休みにNHKで戦争体験語るおじいちゃんおばあちゃんもモヒカンでテレビに出ましょう。「フィリピンで戦友が撃たれて倒れたとき、ワシは泣いた。そして自分もこうなるんだ、と考えたんじゃ。その時・・・」みたいな話を鋲ジャン、モヒカンで語りましょう。説得力が増します。

 それくらい、1回聴いたらインパクトある反戦ソング。



 1981年は飯田かおりと安部なつみが生まれた年です、というトリビアを味わったあと。

 「HEAR NOTHING〜」について書いたとき、ディスチャージの立ち位置を北条早雲であると喩えてみてました。今回は音について書こうと思います。思いました。ところが、音をどんだけほじくっても、言葉が掘り起こされない。冒頭で紹介した「戦場」というキーワードを用いた以外の表現が見つかりません。
 理由はですね、はっきり言って10曲を「曲」という単位で分解することに意味があるのか、と言うほど同じ曲調だからです。アルバム全体で1つの塊。一切の無駄を排したシンプルで短い歌詞のハードコアだからです。視点を変えて、「HEAR NOTHING〜」と比べてみよう、とか考えてもそれも所詮小細工。そんなもの通用しない。比べるまでもなく、まったく同じ方法で曲作りして演奏。

 これをどう言葉に変換すれば良いのか。あとは聴いてもらうしかありません。

 唯一、異なる点を挙げれば。 「HEAR NOTHING〜」よりもその「無駄を排する」という手法が徹底している、と思います。「HEAR NOTHING〜」ではシングルで発表された曲が3分と長かったのに対し、こちらは長くて2分(もない)。何せ10曲で約15分。この短さに「一体どうして(WHY)」と聞きたくなる。

 WHYに対するBECAUSEは、きっとそのうち、世界が示してくれるでしょう。期待。




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