update2004.1.29

G.B.H / CITY BABY ATTACKED BY RATS (1982)

 1980年代をDischargeと並んで代表するUKハードコアパンクバンド・G.B.Hのデビュー作にして、名盤。ピストルズが作ったパンクの流れをよりハードに、よりシンプルになったのがいわゆるイギリスでのハードコアパンクです。

 1980年代に入った頃、70年代後期に活躍したパンクバンドはどんどん死んでいきました。ピストルズは解散し、クラッシュは方向性を変え、「パンクは死んだ」と言われ始め。しかししぶといパンクは死ぬことを拒み、形を変えて生き残っていきましたとさ。

 ・・・なんてのが、ハードコアパンクの誕生のだいたいの背景です。

 「パンクは死なない」―――ハードコアパンクバンドはこれをスローガンとして活躍してまして、そのうちの1つがG.B.Hです。sham69の代役として急遽、SONICMANIA2004に出演。



 ハードコアパンのだいたいの特徴は、演奏は荒々しく、メロディは単純で、そしてスピード感があること、とまあこんな感じでしょうか。そしてそのサウンドに馬鹿の一つ覚えのように(褒め言葉)政治批判、戦争反対などの詞を乗せています。しかしG.B.Hは、当時のハードコアパンクバンドの中ではかなりポップなメロディ(J-POPのポップとは意味が違いますよ)であり、ボーカルも「きちんと歌っている」。また馬鹿の一つ覚えから脱却し(褒め言葉)歌詞も日常的なものを歌ったものが多い。

 根本的にパンクはポップなものであり、80年代以降のハードコアパンクからポップさが急激に失われたわけで、パンクバンドがポップであることは実は自然なことです。
 ハードさ、とポップさ。両者をバランスよく持ち合わせたG.B.Hのこのアルバムは、20年経った今聴いてもまったく古さを感じさせないものです。これこそが、名盤たる証である、と。



 僕の個人的見解ですと。純粋な意味でのパンクロックってのは実はこのG.B.HやDischargeまでじゃないのかななどと考えています。それ以降もパンク系という流れではあるけど、後追いだと純粋な意味でパンクと呼べないような気がするんです。
 もっとも、こんなことはロックやパンクなどを聴いて楽しむ範囲ではまったくどうでもいいことなんですけど。人それぞれの解釈があるのは当然のことですし。解ってるけど言いたくなる、それがパンク症候群。



 以下、感想文。

2. SICK BOY 最初のトラックからの続きをうまくやってのける始まりがポップセンスを感じる曲、このアルバムのなかの名脇役だと勝手に認定。シングル曲ですけど。日常的なキーワードが多い歌詞で、「病気だけど幸せ」だそうです。もちろん、精神的な病気ね。

4. SLUT
サビの「SLUT SLUT SLUT SLUT」と叫ぶところはハードコアパンクらしいサビで、非常にカッコいいです。

8. CITY BABY ATTACKED BY RATS
初めてG.B.Hを知ったのはこの曲でした。パンク名曲集みたいなアルバムに入ってました。このシンプルなリフレインがすごく気持ちよくて。

9.THE PRAYER OF A RESULT

イントロのドラム、これ、ちゃんと叩けてないでしょ?

12. BOSTON BABIES
上記「CITY BABY〜」に曲の入り方やサビが似てるんですが、続編でしょうか?ちょっとよくわからんですが。




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