update2004.12.16

GOOD CHARLOTTE / THE CHRONICLES OF LIFE AND DEATH  (2004.9.29日本盤)


 来日したり日本の雑誌のインタビューを受けたりする様々な海外バンドがリップサービスで「日本大好き」を繰り返してる昨今。
 だけどわさびを致死量まで食べやがった後にニッコリ笑って「アイラブワサビ」と言ったSUGARCULT(文字通り甘味がカルトだよ)の人に匹敵するほどのアティチュードで日本好きをアピールするバンドマンはそうそう居る物じゃない。むしろ海外バンドマンたちのリップサービスは一つのマナーとも言えるモノだと認識しているので、かえって彼らの本音の部分が見えにくいのが正直なところです。
 そんな「日本のリスナーは彼らにどう思われてるんだろ?」などという一消費者に過ぎない自分にはまったく関係ないテーマを考えては悶々とする日々を暮らす僕の元に一筋の光が差しました。それがこのグッド・シャーロットのアルバム"THE CHRONICLES OF LIFE AND DEATH"です。アメリカじゃライブにローティーンの少女ばっかりが集まるアイドル的存在のため、おパンクな方々に「こんなんパンクじゃねえよ」と批判を浴びることこの上ない彼らですが、とんでもない。これ超パンクだぜ。どパンクだぜ。




 今作、彼らはアティチュードとして日本好きをアピールしてくれました。それも「大好き」だ。これはマジに日本が好きだからできる芸当ですよ、間違いない。テーマは「日本語」。

 オープニングトラックからいきなり「人生、人生、人生・・・」と女性の声で日本語の大合唱、そこに間髪いれずに「死ーぬ、死ーぬ、死ーぬ」。アルバムタイトルである"LIFE AND DEATH"をそのまま超直訳し、しかも名詞と動詞の並列というバランスの悪さでそのままこっちに倒れてくる。おかしい、絶対おかしい!聴いてるだけで全身の毛穴から緑色の液体が出そうですよ。

 そして極めつけは大ヒットシングル"PREDICTABLE"のJAPANESE VERSION(日本語ヴァージン。日本盤ボーナストラックのみ収録)。
 何とここでは英語で歌われた曲のサビ以外の部分を日本語にするという超パンクな試みがなされてます。これが笑える笑える。僕ら日本人がイメージしてる「日本語喋る外人」を忠実に再現してくれてまして、そのパンク魂にはマジで鳥肌(実)が立ちました。一体何を参考にしてどこで勉強したんだよ。「オレ成長するー」とか、片言にもほどがある。

 日本大好きがこじれてここまでやってくれた彼らの前には、彼らのポップな音楽性を指してパンクじゃないだの、売れたらどうだのという議論はもはや虚しく響くだけのものとなりました。だってこれをアメリカ人マジメに聴いてるんだぜ?英語で歌うことが大好きな日本のバンドマンの方々の感想を聞いてみたいものです。超インターナショナル。内向きも大概にしろって。




 実はメンバーの一人(ギターのベンジー)が日本人の女の子と付き合ってるそうです(ちなみにジョエルはヒラリー・ダフとの交際が報道されてましたよね)。こりゃ日本語で歌う以上の日本大好きアティチュードですよ。そういや「だんご3兄弟」「でんでんむし」をカバーしたsnuffもメンバーの奥さんが日本人だったような記憶があります。パンクだからね、やっぱ音楽性およびキャラクター性にゴシップが絡むのは重要です(もちろんマジメに言ってません)。
 パンクと言えば、パンクのアイドル化もここまで来たかというのがマジメな感想です(ここは本当にマジメに言ってますよ)。ただそれを指して「パンクはどうの」とか言う歳ではなくなった僕としては、そんな青臭い主張よりポップスの領域にどこまでパンクロックがアレンジされて食い込んで行くのかが楽しみであります。ハードコアをそれっぽっく熱唱する14歳くらいの女性アイドルが登場する日もそんなに遠くないのかも知れませんね。「それっぽく」というのがミソですけど。

 最後にいくつか余談を。グッド・シャーロットと言えばSONIC MANIA2005に出演が決まったわけですが、彼らと別会場・同日に招聘の大物はマリマンちゃん(マリリン・マンソン)みたいです。まあマリマンちゃんはすっかり落ち目の巨人という感じのため、それを受けてか今年のソニマニはキャラクターがまったく被らない新旧二大スターの交代劇かなという気がしないでもないです。密かに面白いんじゃないの?この組み合わせ。
 あと最近は下でリンクしているオフィシャルサイト(日本)で"THE CHRONICLES OF LIFE AND DEATH"のトラック5"I JUST WANNA LIVE"のPVが見れます。これがまた日本の女子中学生の間で流行ってるうさぎとかの着ぐるみを意識してか、ニンジンやらイチゴやらハンバーガーやらの着ぐるみを着てます。この姿でドラムまで叩いとるよ。期間限定らしいので必見。ちなみに可食物かどうか微妙なやつが一番かわいい。

オフィシャルサイトその1:http://www.goodcharlotte.com/
オフィシャルサイトその2:http://www.goodcharlotterocks.com/ ※リンク先音あり注意!
以上2つ、下記のソニーの日本オフィシャルサイトよりリンクあり。何故2個あるのか不明。
オフィシャルサイト(日本):http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Special/GoodCharlotte/




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