update2004.7.28

NEW FOUND GLORY / CATALYST  (輸入盤2004.5.17)

 アメリカ・フロリダ州出身の5人組で、もはやグリーンディやblink182と並んでアメリカを代表するポップパンクバンドとなったNEW FOUND GLORY(以下NFG)。今回取り上げるのはそんな彼らのbillboard初登場3位を記録したメジャー3枚目(バンドとしては4枚目)のアルバムです。
 そんなセールス的なでかさもあって、数あるポップパンクバンドの中ではけっこう目立つ感のあるバンドです。まあセールスの話以外にも、映画のカバー曲を集めたアルバムでタイタニックのテーマ「MY HEART WILL GO ON」を演ったのはなかなか印象的でした。
 とりあえず何かあれなバンド名ですね、「俺はビッグになるぜ」系の。本当にビッグになっちゃったからすごいけど、売れなかったら(もしくは売れてない頃は)相当恥ずかしいバンド名なのは間違いない。



 とりあえずすごい眉毛が濃いバンドですよね。

 仮にNFGを良く知らない人に「NFGの特徴は?」と聞かれたら僕は迷わず「眉毛」と答えるでしょう。特にジョーダン、サイラス、イアン。揃いも揃って、何食ったらそんなに濃くなるんだよと言う眉毛の目白押し。この眉毛の前には多少の音楽性などというものは意味を成さないのではないかとさえ思えるほどインパクトのあるものです。こいつは正にニュー・ファウンド・眉毛(新しく発見された眉毛)。とにかくフロリダ眉毛。略してフロゲ。
 新作をリリースした我らがマユパン(眉毛パンク)期待の星であるNFGですが、その新作で相も変わらずに濃い眉毛を披露してくれたことを僕は本当に嬉しく思います。何たって僕はテレビやネットで何回も「ALL DOWNHILL FROM HERE」のPVを見たけど、あの増殖するCGの背景より眉毛見てたもん。むしろハイテクノロジーを駆使したCGでジョーダン(ヴォーカル)の眉毛が増殖するシーンとか超期待してたもん。
 もちろん外人さんですからね、比較の話で日本人より毛深い人多いし、別に彼らだけが特別に眉毛濃いわけじゃないですけど、どうにも僕は彼らにそんな偏見を抱いておるわけです。

 NFGをよく知らない人もこれだけは覚えてくださいね。眉毛が濃いバンドだって。「NFG知ってる?」「ああ眉毛の!」みたいなノリで。

 そんな眉毛はまったく変えなかった彼らですが、じゃあ今回の新作はどのような変化を見せてるのでしょうか。こっからようやくアルバムの中身の話に入ります。



 2年半ぶりの待望の新作です。まず大きく変化してると感じるのが、ヴォーカルであるジョーダン・パンディックの歌い方の変化でしょう。

 単純に上手になりました。歌い方が丁寧になった、と言うべきかな。これはこれで今作の特徴の一つだと思います。元々ジョーダンはイカつい顔とはミスマッチなほどのなよなよヴォイスだったんですが、その高音が抜けるように綺麗に出るようになって聴きやすくなりました。
 ただしここはかなり賛否両論あるところだと思います。ただでさえそのミスマッチに抵抗がある人は多いと思うんですけど、それが加速するわけですし。特に(ポップ)パンクロックという定義にこだわるなら、そんな綺麗で上手に歌わなくても、むしろやや下手でがなるぐらいが良いじゃん、とか思う人も多いんじゃないかと思います。

 次にアルバムトータルではいろんなことしてるな、という印象です。駆け出しのポップパンクだった2nd「NEW FOUND GLORY」、エモエモ節でまとまった(少なくとも僕はそう思ってます)3rd「STICKS & STONES」などと比べると明らかにアルバムカラーがない。
 世間的には今作はポップになったと言われてるようです。確かに曲単位ではintroはSUM41の「NEW WAKE UP」を彷彿させるアクセル全開の曲だし、「4. Truth Of My Youth」の軽快なノリは今までのNFGらしくない印象だったりしますが、アルバム全体としてはまったりとした曲が目立つのでポップになったと思います。

 総じて。本国アメリカでの評価というのは正確に掴めないですが(日本と大して変わらないだろうと思いつつ)、少なくとも日本ではポップスとして売り出せるバンドになったと思います。



 それでも。彼らが独自に持つ「NFG節」はまったく色褪せていません。

 つまり、サビの使い方ね。他のパートよりややスローになりつつ広がりを持たせる、みたいな独自のサビ手法。これは決して独自じゃないかもしれないけど、彼らがこれを多用し、かつバンドの個性として効果的に取り入れてるのは事実です。逆にこれが解り易いからこそ、「NFGの曲はみんな同じに聴こえる」という現象が起こるんじゃないかなとも思います。

 これがある以上。どんなアルバムを出してもNFG名義で出す限り、そのアルバムの中にこの「解り易いNFG節」は確実に存在するんじゃないでしょうか。NFGの核、コアとして。ある意味ハードコア。

 この彼らの楽曲における最大の特徴は、ルックスにおける最大の特徴である眉毛と同様に今までと変わってません。

 今作でもこのNFG節とも言うべきサビは確実にしっかりと使われてます。もう見事なほど彼らの眉毛のように色濃く。それだけで今作を「NFGとして」聴く価値はありますよ、充分に。
 彼らの眉毛が相変わらず濃いうちは、彼らの基本であるこの「NFG節」は変わらないんじゃないかなと僕は信じます。バラードを入れることによってトータルでアルバムが甘い物になろうと。彼らは彼らの眉毛と音楽を(文字通り)色褪せることなく続けてくれるような気がします。

 僕は今後もNFGを彼らの眉毛とともに見守って行く所存であります。ニュー・眉毛・グローリー。



 好きな曲はダントツで「4. Truth Of My Youth」。たぶん今回のアルバムの中で最も人気のある曲じゃないでしょうか。8月にシングルカットされますし。かっこいいね。




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