NOT BY CHOICE / SECONDHAND OPINIONS (2004.12.15日本盤)
前作でありデビューアルバムである"MAYBE ONE DAY"（彼らのオフィシャルWebサイトを見る限り、このアルバムが1stっぽい）のアルバムタイトルトラック"MAYBE ONE DAY"のあのどこかで聴いたことあるような耳馴染みするギターリフ。そして続く#2"HOME"のあのタイトなイントロ。
などなどが象徴するように素晴らしき王道ポップパンク路線を示したカナダ出身4人組、NOT BY CHOICE。決して派手ではないものの、期待を感じさせる登場でした。日本での商業的な期待を受けすぎたがゆえに輸入盤は無いもの日本盤リリースという運びとなったため、一部の人に輸入盤規制法の適用を一足先に受けたのかよ、と誤解を与えたほど（もちろん作り話だ）。
そして今作。今作はどうやら僕の身近なサイトだとのぶさんやエツコさんのところでもレビュー載ってますが、また日本盤のライナーにも書かれてますが「成長」というキーワードで語られることが多いようです。
実際、前作が先ほども「王道」と表現したように基本に忠実な（ポップパンクファンのツボを押さえた）仕上がりだったのに対し、今回は「これが彼ららしさなのかな」という独自性を感じることが多いのも確かです。
前作との比較で簡単にアルバムを紹介すると、まずは単純に曲風に広がりがある。#1"OUT OF REACH(TOO FAR GONE)"や#4"DAYS GO BY"は今までどおりのポップパンク路線なんだけど、#5"SO CLOSE"とかはどちらかと言うと同じカナダ繋がりのSIMPLE PLANが得意とするバラード路線だし、#7"SAVE YOURSELF"などは落ち着いたメロディがかなり良い味だしてます。
ところで、彼らはたった今丁度ジャパンツアーの真っ最中ですが、どうもこの"SECONDHAND OPINIONS"はライブ向きなアルバムじゃない気がします。
なぜならば、アルバムが聴かせすぎる。このアルバムの曲はオーディエンスとして感じたいのではなく、リスナーとして聴きたい。ライブ会場で身体で聴きたくなると言うより、家で椅子にでも腰掛けながらながら歌詞カードを片手にじっくり聴きたい（ノット バイ チョ椅子、なんて酷いダジャレをたった今思い付きつました）。そんなアルバムです。
象徴的なのは#8"NEVER SAY GOOBYE"のサビへの入り方。落ち着いた入り方をして抑揚を抑え、聴かせるメロディが続くってのは非常に技っぽく感じる。アルバム"MAYBE ONE DAY"の楽曲が得意とした「サビに入ると音程が上がったり、強調されたりする」「"YOU WILL NEVER KNOW"とかシンガロングし易かったりする」などのライブですんなり入り込めるスタイルとは随分と対照的な感じがしました。
ちなみに身体で感じたいアルバム"MAYBE ONE DAY"の象徴はあの何の脈絡もなく登場する巨乳ビキニ軍団主演（ここは譲れない、彼女たちが主演だ）のプロモーションビデオ。マジで身体で感じたい。股間がSTANDING ALL ALONE。
これはもちろんバンドの善し悪しやアルバムの批判とかの話じゃなくてさ。このアルバムに作り込み感がたくさんありすぎる、てこと。多くの人が「成長」と感じてるのはたぶんこの作り込み感なんでしょうけど、こうなってしまうと逆ににライブでこの雰囲気を再現するのは難しいんじゃね？"MAYBE ONE DAY"の曲のほうがシンプルでのり易いんじゃね？とか思っちゃうよ。
まあそんな言及はアルバムタイトル"SECONDHAND OPINIONS"（使い古された・中古の意見）と同様にきっと色んな人が思ってることなんだろう。そりゃ同じバンドの同じアルバムが好きになるんだろうよ。
などと無理矢理な仲間意識を押し付けつつ、僕はこのアルバムを聴いてライブ行きたいという気にはならなかったです。もちろん積極的な肯定として。まあここに仲間意識感じてくれるヤツはいないだろうから、僕は家でこっそりとこのアルバムを聴きます。いくらNOT BY CHOICEでもそれくらいは選ばせてくれ。
全体に前作との比較の言及ばっかになってしまいましたが、このアルバムは非常に聴かせるアルバムだなという僕の感想が変わるものではありません。次はどんなアルバムで来るのか。それはそれで注目するところです。
ところで僕は以前このサイト内でマイク（vo.)の顔が原田泰造に似ていると書いてあまり同意を貰えなかったという苦い経験があるのですが（本当に苦いんだよ！主に滑ると）、今改めて見るとメンバー全員、お笑いグループにいそうな顔だよマジで。
オフィシャルサイト：http://www.notbychoice.com/
※ 曲の試聴とかあり
※ 泰造に似たヴォーカルの写真あり
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