update2004.1.7

暗殺カンパニー


「お電話ありがとうございます、『暗殺カンパニー』お客様窓口です」
「あーもしもし、あの、私、土下座銀行の口座番号※※※※の、銃殺刑太と申す者ですが、えー、そちら暗殺カンパニーさん・・・ですよね?」
「はい、そうで御座います。要人暗殺から素人、野外から乱交まで、幅広く取り扱っております。今ならクリスマスキャンペーン中でして暗殺料5%オフ、若妻パックも用意しております」
「(どんな会社だよ)暗殺カンパニーさんですね。えーっとですね、私の口座に『報酬』という名称でそちらの会社から2000万円ほど振り込まれているんですよ」
「あ、スナイパーさんですか。こちらはお客様窓口ですので、賃上げ交渉などについては労働組合を通してください」
「いや、スナイパーじゃないですよ、ですから、」
「バイトですか?」
「いや、違います」
「就職およびバイトの希望でしたらこちらではなく人事課のほうにお電話頂きたいのですが」
「いや、違いますよ、ですから、私の口座にそちらの会社からお金が振り込まれてるんですよ。」
「はい、お仕事お疲れ様です、この人殺し」
「だから話を聞いて下さい!私は人を殺したわけじゃないんですよ!」
「そういう話は裁判所のほうでお願いします」
「話を聞けよ!」
「こういう話は本当は人事課なのですが、警察に捕まるなどのヘマを犯した低能スナイパーさんの弁護士はこちらで用意致します。はいつくばって感謝してください」
「違う!弁護士はいらん!話を聞け!」
「はい、承ります。いまならクリスマスキャンペーン中でして暗殺料5%オフ、」
「若妻セットはもういい!」
「でしたら若妻セットをお付けせず、スナイパーがサンタの格好で仕事をするプランは如何でしょうか?」
「あの、どなたか話が解る方と電話を代わってもらえませんか?」
「お客様窓口には私しかおりませんが」
「そうか、じゃあ、まず、私の話を最後までちゃんと聞いて下さい」
「はい」
「私の口座にですね、あなたの会社から間違って報酬が振込まれました、ということです」
「人を殺したからですね」
「違います、私はあなたの会社に雇われているスナイパーではありません」
「スナイパーの雇用形態も正社員とバイトと派遣とあるのですが、どちらでしょうか?」
「いや、違います、ちゃんと聞いて下さい」
「はい、先ほどからしっかり聞いております」
「何度も言わせないで下さい・・・間違って、振込まれてるんです」
「間違って、と言われると、当社に雇われていない、ということですか?」
「そうです」
「正社員のスナイパーはもちろん、バイトスナイパーでも派遣のスナイパーでもないのですね?」
「そうです」
「なのに、自分の意思で人を殺した」
「違う!」
「報酬なしで人を殺せるなんて!当社で働きませんか?給料は望みどおり一切支払いません」
「お願いだからちゃんと話を聞いて下さい。間違いなんです」
「そうですよね、人は人生、誰でも間違いを犯すものですから。それを皆様の代わりに果たすのが当社で御座います。今ならクリスマスキャンペーン中でして、若妻パックも用意しております」
「(もう無視しよう)私は貴社のスナイパーでもバイトでもないんです」
「仕事中のスナイパーのスマイルは0円です」
「なのに、私のところに、お金が振り込まれてるんです」
「一人殺すごとに1ポイント、5000ポイント貯めますとなんとゴールド会員となり、自分も殺されてしまうという特典付き!人を呪わば穴二つで御座います」
「名目は『報酬』」
「30分以内に暗殺できない場合は料金は頂きません」
「これは間違いではないかと思うのですが」
「かしこまりまりました、ご連絡ありがとう御座います。では振り込みの手違いに関して調査させて頂きます。早速手配致しますので、しばらくお待ち下さい」
(・・・保留音楽♪・・・)
「な、なんだよ、突然物分り良くなって」
(♪・・・ぴ)
「お待たせしました」
「いえいえ」
「では大統領暗殺を若妻パックで」
「もういいっす」




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