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2004.12.5 SUN  安倍なつみ・2004年2月4日リリースシングル"一人ぼっち"

 世間で安倍なつみの盗作が騒がれてます。その盗作の内容についてはここのまとめサイトがシンプルで解り易いので、どんな具合に盗作がなされたかあまりご存知ない方でかつ興味のある方は一度ご覧ください。ちなみにこのまとめサイトのURL、ハロプロにパクリという単語を交えたと思われる「パロプロ」って名前になってるのが滅茶苦茶センスいいなあ。

 さて。よく言われる一種の都市伝説みたいなものだと思うですが、アイドルが自分で作詞したと発表したとしても実は別人が書いた、所謂ゴーストライターがいるという話があります。そしてこれって誰もが一度は聞いたことがある話ですよね。
 それを裏付けるような一例を僕の記憶の範囲から出しますと、浜崎あゆみがテレビで曲のタイトルの意味を聞かれたとき、自分で書いた曲のはずなのに「・・・かな?」なんて言い方をしたことがありました。明らかにおかしなリアクションですよね。こういう瞬間とかを見たりすると「本当に自分で書いたのかよ」とか思ってしまうわけです。
 こんなこともあってか、この「ゴーストライター説」って妙に現実性があります。また上の一例のようなオプションを抜きにしてもこの話には何故か説得力があって、比較的世間で信じられている、もしくはある種の常識にすらなってる気さえします。少なくとも僕の周りではこのゴーストライター説について「そんなことないよ」と明確に否定する人はいませんでした。

 でもこれも良く考えてみたらおかしな話なんですよね。だって今まで誰一人「私の作詞はゴーストライターが書きました」って認めた人いないし、実際、「アイドルの●●が作詞した」って言って実は違う人の作詞だったらそれは立派な詐欺罪でありしかもJAROに相談できるほど誇大広告ですよね。そこに商品価値を感じて買った人もいるだろうに。

 今回の盗作事件(騒ぎ、だなんて優しく表現なんかしてやらね)は、まず大前提としてこのゴーストライターの存在が真か否かが肝となってくるはずです。そんなものは存在しなく都市伝説の領域をでないものならば、今回の事件は安倍なつみが素人感覚でやった事件もしくは本当に真性のお馬鹿さんだったから起きた事件になるし、ゴーストライターが存在するならとんでもない手抜きな人物を雇ってしまったねという話になります。一部で言われている「事務所を裏切り独立を考た安倍なつみを潰したた芸能界のカラクリ」という話もゴーストライターがいるならそのカラクリの一部じゃねえか?なんて(ずいぶんと仕込みの長い壮大な話になりますけど)見方もできるわけです。

 でも実際の所、真実なんてものは一般人の僕らには絶対に見えっこないです。そして一般人である僕らは上で挙げたようなゴーストライターとか事務所による潰しとか、そういうものも含めた芸能界の本当の姿をよく知らずに、もしくは噂を鵜呑みにした上で、会社の同僚との話題として、お茶の間の話題として、恋人同士の取りとめのない会話のトピックとして、ネット上の議題として、批判弾劾誹謗中傷擁護議論を繰り返します。
 本来これらの会話ってのは、これらを行うのに大前提として「情報」が必要なはずです。本人から聞いた、とかね。でも誰もそんな情報を持たずにこれらの会話を行ってる部分に、僕は非常に違和感を感じます。本人が書いたという前提の下「バレないと思った安倍が悪い」、ゴーストがいる前提の下「とんだとばちりだよね」、安倍なつみを友達感覚で知っている前提の下「なっちはそんなことする人じゃない」。そりゃこの話は噛み合わないでしょ。
 この話について、芸能界の闇なんて言葉を散々見ましたが、これはそれ以上に僕ら自身の闇じゃないのか。自分で確かめようのない何かを前提にしてものを考えたり、不安になったり疑ったり。情報の氾濫する時代と言ってしまえばそれだけの話だけど、ネットやマスコミといったメディアから一歩離れた友達同士の間でも噂を前提に仲違いするなんてよくある話です。僕が感じる違和感はこんな現象への嫌悪感、自分が関わってしまった場合の恐怖感から来るのかもしれません。

 結局これらのなかで、「それでも私はなっちが好きです」「なっちを応援してます」てのは正直なところ不器用で頭の悪い擁護に見えるけどさ。「自分が安倍なつみが大好きだ」という己の感情、言わば間違いない情報を前提にして意見をしてるわけで、実は一番確固とした意見じゃないかなとさえ思う。誤解なんて生じない、それこそ闇なんかないとさえ思う。純粋でいいじゃねえか。
 彼女らのトイレ盗撮を喜んでダウンロードしつつ、彼女らの盗作であっさりファンを辞めるのももちろん自由だよ(そしてダウンロードしたファイルをハードディスクにいつまでも保存するのも倫理的問題はあるものの自己責任の範囲で自由だよ)。でもそれでもファンを辞めないって人を個人的には応援したい。もちろんそんなファンが居ることよって安倍なつみのやったことが消えるわけじゃなけどさ、そういうファン心理てのはきっと素敵なものだよ。

 安倍なつみの謝罪コメントは盗作を謝罪したわけでなく世間を騒がせたことへの謝罪という本末転倒なものでした。おそらく「世間全体への謝罪がないとまた叩かれる」という部分があるのは解るんですけど、本当に謝罪しなければならない相手ってのはこういうファン相手じゃないですかね。別に僕は迷惑など微塵も被ってないけど、例えばティーンネイジャーのファンがショックを受けたんだったらそれは本当に迷惑だったんじゃないでしょうか。実際、「テスト前だけど気になって勉強できません」なんてリアルな日記読みましたよ。気の毒に。
 おそらく、安倍なつみは自粛期間の後に何事も無かったように復帰すると思います。そして有力プロデューサ付きの表舞台で活動をするでしょう。しかし、もし彼女が芸能界を干されても芸能活動を諦めず、それこそモーニング娘。の始まりのように手売りでCD売る事から始めたら僕は彼女を見直しますよ。それこそ本当にファンへの謝罪というか、真剣な罪滅ぼしですよね。あの「5万枚売ったらデビュー」なんて絶対に成功するに決まってる、華々しくデビューさせるための嘘臭いドキュメンタリーと違って感動的じゃないですか。




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